さゆちゃん家(真岡市)No.0075
西村製材所

息吹を伝える素材感のある家 見学可能.png

おうちデータ

  • さゆちゃん家(真岡市)
  • 築年数・・・6ヶ月
  • 延床面積・・・42坪
好きなインテリアは?

シンプルで自然素材を使った家が好きです。でも、ログハウスのような感じと言うよりは、日本の田舎の家、というイメージがしっくりきますね。主人の実家が農家なのと、私も祖父が農家だったため、”昔ながらの農家の家”というのが私たちの家に対するイメージのおおもとにある気がします。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん

KEYUCA 大滝ホームインテリア ARREDA

参考にした雑誌

チルチンびと、住む

家を持つきっかけは?

この土地は、もともと義祖父の家が建っていたんです。遊びに来たときはお座敷や土間を使わせていただいていて、とても素敵な家だったんですよ。それが東日本大震災で屋根が傷んでしまい、雨漏りがひどくなって取り壊すことになり、そのタイミングで自分達の家を建てることを決めました。

購入を考え始めたのは誰?

結婚当初から「将来的にはここに住みたいね」とお互い話してはいたのですが、まだまだ先の話という感覚でした。でも、義祖父の家を取り壊しを依頼する施工会社を探す中で、2人の中で家を持つことが現実味を帯びてきたという感じです。仕事も県内から移動のない職種ですし、ローンを組むなら早いほうがいいのかなという思いもありました。

なぜ、この施工会社に決めましたか?

義祖父の家は本家なのでみんなの思い出の家でした。築200年の家でとても良い材料を使っているので、出来る限り素材を使える形で残して解体してほしいとおもっていました。展示場で話した施工会社さん達は、私たちの思いを親身に聞いてはくれませんでした。そんな中、知人が家を建てた工務店さんを紹介してくれました。私たちの希望を伝えると「それは絶対残さないとだめです!」と力強く言ってくれました。それが決め手でしたね。古くからある製材所の住宅部門だから、木の知識がすばらしく豊富で、私たちが思いつかないようなことを色々と提案していただきました。

お気に入りの場所は?

もちろん、リビングです!天井の梁を寝転がって見上げるのがたまりません。吹き抜けにしたことで見せ梁に圧迫感がなく、すごく開放感があるんですよ。リビングの真ん中に子どもの遊びスペースがあるので、子どもを遊ばせつつ、私もごろごろしながら眺めています。

もう一度家を建てるなら、どんな家にしますか?

今の家は、最終的に和と洋をミックスしたような家になったのですが、主人は純和風のいわゆる数寄屋造りの日本家屋にも憧れていたようです。子どもが大きくなって老後二人暮らしになったら、そういう家もいいですね。

これから家を建てる方へのメッセージを

最初に工務店さんにお会いしてから契約するまで約1年かかりました。その間、壁の中から床の下まで、とことん相談したり提案していただいたりして、最終的に全て納得したもので施工していただくことができました。住んでみたら住み心地が悪かった、なんて結果にならないためにも、信頼できる施工会社を見つけることと、細かいところまで相談できる関係を築くことが本当に大切だと思います。なにより、根気が大切です。がんばってください!

ウチミセレポート

キッチンは大工さんに細かく注文

キッチンは全て大工さんに作っていただきました。カウンターの上にモノを置きたくなかったので、立ち上がりのキッチン側をくぼませて、ものを置くスペースを作っていただきました。リビング側からは見えないので、調味料などのチョイ置きにすごく便利なんですよ!また、シンクの下は湿気がこもるので敢えて収納にせず、オープンにしてゴミ箱を置くスペースにしました。この場所であれば濡れているゴミでも床をぬらすことなく捨てられて重宝しています。

手元を隠す構造にすることで、調理中でもリビングからの眺めはスッキリとした状態を保てますよね。意外と忘れがちなゴミ箱スペース。シンク下にすることで、調理中や片付け時の作業もしやすく最高ですね。


水回りの対策を万全に

蛇口周りはどうしても水がはねたり垂れたりしやすいので、洗面所の蛇口は壁から出るタイプ、トイレの蛇口はボウルの上で開閉するタイプを選びました。キッチン周りの床にはウレタン塗装をしていただいているので、水が垂れても大丈夫。加えてキッチンと洗面所の配管は、カバーなどで覆うことをしませんでした。万が一水漏れやつまりがあった時にも対応しやすいですし、カビの心配もありません。

水を使えばどうしても水がはねたりしてしまうもの。でも、水はねした先が濡れても問題ないようになっていれば、神経質になることもないですよね。徹底した水回り対策を最初にしておくことで、掃除も楽になって一石二鳥ですね。


オール電化と薪ストーブで光熱費は黒字!

最初は薪ストーブを入れるつもりはなかったのですが、営業さんのお宅で拝見した薪ストーブがすごく素敵で~。実家が山を持っているので燃料には困りませんし、火を見ていると本当に心が落ち着きますね。オール電化と太陽光発電、そして薪ストーブで光熱費は常に黒字なんですよ。導入コストはどうしてもかかりますが、長い目で見れば絶対にお得です!

薪ストーブは正面だけでなく斜めからも火が見える形状になっており、横に広いリビングダイニングのレイアウトにマッチしています。光熱費が常に黒字なんて、うらやましい限りですね。


子どものいたずらも安心

このIHクッキングヒーターはドイツ製で取り扱ったことのない製品だったそうですが、快く対応していただけました。丸いつまみをくるくる回したり動かしたりして操作するんですが、実は取り外せるんですよ。使っていないときは手のどとかないところに置いておけば子どもがいたずらできないので、心配いらずです。

丸いステンレスの積み木のようなつまみはマグネット式で取り外し可能。はじめて見る操作方法方法は、ちょっと近未来的なおしゃれなものでした。つまみを取り外すと凹凸が全くないため、掃除がとても楽なんだそう。



失敗ポイント

よく考えて付けたつもりだったのに…

コンセントは数も位置も、何度も検討したはずだったのですが…。私は右手でドライヤーを使うので、洗面台のコンセントは右側にあればよかったなあと、ドライヤーを使うたびに思います。また、キッチン裏からパントリーを抜けた所に勝手口があるのですが、母屋への行き来はいつもここからしています。しかし、パントリーの灯りのスイッチがキッチン側にしかないので、夜、母屋から戻ってくると真っ暗で大変なんです。

母屋とのメインの行き来が勝手口だからこそ生じた問題ですね。生活してみないとわからないことは沢山ありますね。「そのうちセンサーライトを付けてみようかなと思っているんですよ」とのこと、上手くいきますように。


固定電話&LANは要らなかった…

電話の置き場所やインターネットの配線などの設置場所を作ったのですが、なにげに母屋の無線LANにつないでみたところ、何の問題もなく繋がりました。電話も母屋の子機が、キッチンであれば全く問題なく話ができることが分かりました…。せっかく準備していたのですが、要らなかったですね。

母屋と隣り合っているからこその、実はラッキーポイント。将来的にこちらのお家単体としても使うことが出てくるかもしれませんので、準備しておいて良かったのではないかと思います。


雨どいをつけていないところが大変なことに!

屋根が大きいので、軒先の長さもかなりなもの。玄関の軒先以外は「人が行き来しないから」と言う理由で雨どいを付けなかったんですね。そうしたら、引越してすぐの雨の日、まだ外回りが全部土だったため壁が泥だらけに!雨どい、つければよかった…とそのとき心の底から思いました。

なるほど、雨どいは色々な役目があるんですね。この後、ご主人が地面に砂利を敷くなど泥はねをしない工夫を施して、事なきを得たそうです。


コストダウンポイント

収納は全て大工さんの造作

シュークロゼットから和室の引き出し収納、作りつけの棚、キッチン、パントリーに至るまで、収納は全て大工さんに作っていただきました。家具屋さんにお願いするより安く作ってもらえました。とてもしっかりしていて使いやすく、満足しています。作りつけなので地震のときも倒れてこないので安心です。

収納を造作してもらうと、サイズの指定や体型に合わせた調整ができるので、好みの使い勝手になるところがいいですよね。専門の技術がいるようなものは家具屋さんに、そこまで複雑でなければ大工さんにと、作ってほしいものによって使い分けるとよさそうです。


外回りは自力で頑張っています

建ててすぐのころは周りには何もなくて地面だけだったのですが、主人が休日のたびに少しずつ作業してくれています。和室の窓の前には、裏の家との目隠しの竹柵を建てたり、軒の下には砂利を敷き、ブロックを並べて玉竜を植え込んでくれました。表の縁側の前にずらりと並べた大谷石は、震災で崩れた母屋の塀を再利用したもの。大きな薪棚も作ってくれたんですよ。

裏手の軒下部分はブロックが雨だれにより早くも苔むして、風情を感じる素敵な仕上がりでした。竹柵には紫陽花が1株植えてあるだけですが、これからどんな植物を植えようか、ご夫婦で検討中とのこと。少しずつ自分達の手で作っていくのもまた楽しみですね。


使い分けでコストダウン

1階の壁は珪藻土を全面に塗っていますが、2階は子どもスペースということもあり、「ビニールクロスより湿気がこもらなくていいですよ」と提案していただいた紙クロス張りにしています。また、2階の明かりとりの窓は小さい窓を複数並べているのですが、開閉できる窓を限定してそれ以外をはめ殺し窓にすることで、コストを抑えています。

使い分けてコストを下げる、良いアイデアですね。窓もはめ殺し窓を上手く使えばコストを下げられるんだと気付かされました。形状だけでなく、機能面もきちんと考えているからこそできる対策ですね。


こだわりポイント

古材を加工して様々に使用

義祖父の家の梁をこの家の梁に転用したのをはじめ、玄関の床、カウンター、洗面台、階段、とポイントとなるところに古材を使用してもらいました。そこかしこに釘が入っていて加工が大変だったそうですがどこも素敵に仕上げていただいています。吹き抜け天井にあしらった見せ梁もいい塩梅ですし、カウンターや洗面台の板は柱から板を複数切りだして、継いで一枚板にする加工を施していただいたんですよ。

前に立っていた家で使われていた古材が、新しい家の一部になっているなんて、歴史を感じられて素敵ですよね。梁や柱は、そのまま構造材として使うには強度に問題があるため、見せ梁や、板に加工して使うのだそうです。古材を使った玄関や階段は肌触りがするするとして、新しい木材とは違ったいい味わいが出ていました。


効率良い冷暖房のために

玄関スペース以外の窓は全てトリプルガラス、全ての窓を樹脂サッシにしました。壁の断熱材は「環境にも優しく、防音吸湿にも優れていますよ」、と勧めていただいたセルロールファイバーを使用しています。おかげさまで、夏は吹き抜けについている28畳用のエアコン一台で、50畳以上ある家全体が涼しく過ごせています!真冬はまだ過ごしていないのでわかりませんが、家の真ん中に据え付けた薪ストーブがいい働きをしてくれるに違いありません。

トリプルガラス+樹脂サッシなんて、寒冷地でも十分対応できそうな装備ですね。これなら夏も冬も、外の気温に左右されずに快適な温度をキープすることができてうらやましい!窓や断熱材は簡単に変更できるものではないので、できれば建てるときに力を入れておきたいですね。


洗面台は一体型を…

お洒落な作りの蛇口は大抵下から蛇口が生える作りになっているので、手を洗った後に蛇口を閉めると、根元がどうしても濡れてしまうんですよね。それがどうしても嫌で、さんざん探したのですが納得いくものがなくて困っていたところ、「一体型の洗面化粧台にそういったタイプのものがありますよ」と教えてもらいました。そこで、この洗面台の付いた洗面化粧台を購入して、洗面台部分のみを使う!という荒業をやっていただきました。おかげさまで思い通りの使い勝手になって大満足です!

まさか一体型の洗面化粧台をばらして使うとは…全く思いつきませんでした。そんな”荒業”を引き受けてくれるなんて、本当に頼りになりますね!鏡の右側が上に飛び出ているのは、背の高いご主人用。これならご主人もかがむことなく鏡を使えますね。


障子を全て片側引き込みに

縁側に続く窓の障子を、全て片側に寄せて、壁の中にしまえる作りにしました。全ての障子を収めると、障子は全く見えなくなるのでとてもすっきりした空間になるんですよ。窓の幅が通常よりも広く、引き込み部分の奥行きが深くなってしまうから、と足元の部分を開けた作りにしていただきました。これ、掃除がしやすくて重宝しています。

古いお宅だと、こういった引き込みの奥にねずみが巣を作ったりしてしまうことがあるそうですよ。こんな風に足元が開いていれば、中が良く見えますし掃除機を使って掃除もできて、生き物が住みつくことはなさそうです。


Uchimise Photo 


レポート後記

カリカナリホ 緑の生い茂る敷地の中、新しいけれどどこか懐かしい、どっしりとした家でした。中に入ると、まず目を引くのが古い梁。外の気温を感じさせない心地よい空間は、落ち着いた調度品と、とことん追求した快適性のなせる技。家の完成とちょうど同じころに誕生したお子さんの成長とともに、家も少しずつ変化していくのでしょう。1日中のんびりしたくなる、居心地の良い素敵なお宅でした。

レポーター:カリカナリホ

こちらのお宅は、 見学可能.png です

案件番号 No.0075 さゆちゃん家(真岡市)
「息吹を伝える素材感のある家」