Yさん家(那須塩原市)No.0092
那須林産工業
風景を活かした広がりのある家
おうちデータ
- Yさん家(那須塩原市)
- 築年数…5年
- 延床面積… 30 坪
- 好きなインテリアは?
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基本的には甘すぎないテイストのものが好きですね。自分で何かをつくったりいただきものだったり、メーカーやブランドにもこだわらず、新しいものから古いものまで自分がいいなって思うインテリアを楽しんでいます。
- 好きな雑貨屋さん・家具屋さん
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黒磯・那須SHOZO
- 参考にした雑誌
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住む。・I'm home
- 家を持つきっかけは?
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住宅ローンを考えた時に(フラット35Sを利用)、今がリミットかと思いまして。幼い頃から森の中に住みたいっていう夢をもっていたので、この土地を目にした時に思い切って決断にふみきりました。
- 購入を考え始めたのは誰?
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夫婦二人でですね。現在は二人暮らしですが、将来的に子どもが生まれても自由に間取りを変化できるよう、自由度の高い空間設計を意識しました。
- なぜ、その施工会社に決めたのか?
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寒さ厳しく風も強い立地のため、冬は暖かく1年を通して快適に暮らせる家を望んでいました。そこで高断熱・高気密の「FP工法」を採用しているこちらの施工会社さんに決定しました。しかも「長期優良住宅」なので頑強だし、自然素材や木材への理解が確かなところも永く安心できる面で魅力でしたね。
- お気に入りの場所は?
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土間リビングですね。ソファに寝転んで本を読んだり、景色を眺めたりしてゆっくりとした時間を過ごしています。あと、造作のキッチンも使いやすくてお気に入りです。
- もう1度家を建てるならどんな家にしますか?
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平屋に憧れます。歳をとって経済的に余裕があれば、増築して寝室を1Fに設けたいですね。もうすでに階段を上がるのがしんどくて(笑)。近い将来的には、ウッドデッキを設置したいと思っています。
- これから家を建てる人へのメッセージは?
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家づくりにおいて自分がやりたいことの優先順位をつけ、コストの配分をうまく考えることがポイントになると思います。その家庭ごとに、こだわりもライフスタイルも違いますしね。自分の希望に折り合いをつけて納得できる住空間をつくることで、完成した時の満足度が増すし、その後の暮らしの充実度もアップするんじゃないでしょうか。
シンプルな間取りで開放的に
結果としてコストダウンにもつながりましたが、シンプルな間取りにして、できる限り空間の広がりを感じられるようにしました。洗面脱衣室と浴室を仕切らず、同じ床タイルで空間をひとつなぎにしたのも工夫のひとつ。ワンフロアだと床掃除も手早く済んでしまうのも気に入っています。
自然素材で快適性をアップ
トイレ・洗面脱衣室・浴室を一部屋にまとめたサニタリールームは、消臭や調湿性能のあるスイス漆喰を用いました。その他室内の壁もドイツ製の紙クロスを使っています。私たちが塗ったのですが、気になったらいつでも自分たちでメンテナンスできるのも自然素材の魅力ですね。
自然素材をふんだんに使われたお住まい。高性能住宅でありながら、自然の力を利用したことでより快適な暮らしを実現しました。永く住まうことはY様にとって何よりの財産となるでしょう。
高性能住宅ならではの空間設計
高気密・高断熱の住まいなので、浴室の横にクローゼットがあっても全然問題ありません。夏でも外干しでなく室内干しのほうが、洗濯物もさらっと乾いてしまうほど。室内の空気の停滞を防ぐ24時間換気システムのおかげで、1年中快適に過ごせています。
ひとつの空間に配した浴室やクローゼットの仕切りは共にカーテン1枚。しかしながら、クローゼット内の衣類は湿気もないから驚きです。住まいの快適性は自由な間取りも可能にしてくれるようです。
共に過ごすひとときを大切にしたいから
土間リビングのソファに腰かけた高さとダイニングで過ごす人との目線が合うよう、床の高さを工夫しましたね。友人たちを呼んでここでホームパーティーをするのが好きなので、そんなときお互いがどこにいても自然と顔を見ながら会話を楽しめる配慮をしました。
この空間に集う人がいかに心地よく過ごせるかと、住まいての目線からだけでなく来客目線からの視点を組み込んだ設計。細やかな心遣いを活かしたあたたかな空間となりました。
オープンすぎるサニタリールーム
これだけオープンな空間だから仕方なかったかもしれませんが、トイレの配置をリビングダイニングの真横に配置するのではなく、もっと奥にすればよかったかもしれません。家族だけならいいですけど、人が集まった時などやはり入りにくいですよね。
設計上この場所しかなかったというトイレ位置は、ダイニングの真横。ドアを開けると真正面に便器本体が見えてしまいます。使い勝手のいい配置ではありますが、たしかに気を使ってしまうかもしれませんね。
余裕のある収納計画を
2Fに納戸は設けているのですが、食品をストックできるようなパントリーがもう少し大きければなぁと。食器も一緒に収納しているのでいつもいっぱいなんです。それと防犯の面からするとないほうが安心ですけど、勝手口があったらもっと便利でしたよね。
普段は宅配サービスと利用しているという奥様。今後家族が増えるにつれて、ますます日用品や食品の保管も増えていくことでしょう。キッチン近くの収納はできるだけ広く確保することをお忘れなく。
薪ストーブ、今はいいけど…
将来のことを考えると、薪ストーブは大変かもしれないですよね。薪を割るのも一苦労してしまいそうで。ただ、ストーブの設置を住まいの中央ではなく玄関寄り、しかも土間に設置したのは正解でした。薪の出し入れやストーブの手入れが楽なので助かってます。
光熱費のコストダウンも考えてのストーブの設置でしたが、労力までは気が回らなかったそうです。意外にも薪ストーブはススや灰などの掃除も大変なようで、床上でなく土間に配したほうが絶対におすすめだそうですよ。
思い切って建具をカット
無駄な壁やドアを省きました。間取りをなるべく簡単にしたことも大きいと思います。ドアの代わりに布カーテンを使っていますが、通気性もいいですし開け閉めもとても楽。空間に合わせて手軽に模様替えもできるので便利ですよ。
玄関・玄関収納・サニタリールーム以外ドアのない徹底ぶり。窓辺のカーテンもマルチクロスで自作したものとか。何気ない日常動作のひとつをカットするだけで、空間だけでなくのびやかな暮らしが叶えられるようです。
自由自在のキッチン収納
キッチンはなるべく大きなL字型のタイプにしたかったので、大工さんに造作してもらいましたが、その際に収納棚のないものにしていただきました。棚をつけるとすごくコストがかかってしまうので、既製のラックを入れるだけで十分。自分が使いやすいように配置換えもすぐにできるし、掃除も楽ですね。
広々とした作業台は料理好きな奥様のこだわりのひとつ。キャスター付きのラックを用いれば、重い鍋も楽に出し入れができます。ダスターもすっきりと収納。自由にカスタマイズできるキッチンとなりました。
できることは自分たちでDIY
ダイニングテーブルやソファなどつくっていただける家具は、まとめて大工さんに造作してもらいました。こちらの家具も私たちが塗装。「自分たちができることは自分たちでやる」といったスタンスなので、大変でしたけど楽しみながら家づくりに参加しました。
大工さんまかせでなく、積極的に家づくりに参加することでより愛着のもてる住まいになったとご主人。造作家具が住まい全体にまとまりを与え、統一感のあるコーディネートを楽しめそうですね。
住まいに「好き」を表現
インテリアが大好きなので、ライティングできるニッチを設けました。季節ごとに小物を入れ替えて、思うがままにディスプレイを楽しんでいます。あとは、玄関収納にイギリスアンティークのドアを設置しました。シンプルな我が家のアクセントにもなり、お客様も目を引くようで私たちのお気に入りです。
納屋で使われていた味わいのあるイギリス製のドアや李朝時代の棚、ご自身でペイントした木の枝のラックなど様々なジャンルのインテリアがミックスされた室内。この絶妙なバランスが奥様のセンスのよさを感じます。
視覚効果を活かす建具づかい
広い空間を演出できるよう、窓を全て高い位置にしています。そうすることで目線が上にぬけ、空間が広がるような視覚効果があるんですよ。新緑の季節は特に空へと視界がいくので、気持ちよさもアップ。サニタリールームのハイドアもその効果を狙って採用しました。
内外をつなぐ窓を利用し、住まいから望める外の景色を取り込み、ぬけ感をだすことで広がりを演出するという上級テクニック。この贅沢なロケーションだからこそ可能だったかもしれませんが、ぜひ真似したいですね。
風景と調和した採光計画
森の中に建てたせっかくの住まいなので、景色を楽しみながらも吹き抜けの高窓や玄関のスリット窓など、光が室内に差し込むようにきちんと採光計画を立てました。また開放的な空間を演出するホワイトを基調にしているので、より明るさも増していると思います。
風景に溶け込むように自然に佇むお住まい。多方向に配した窓からは明るい光が差し込み、どこにいても気持ちよく過ごすことができます。2Fもワンフロアなので、吹き抜けの高窓からの採光も確保できたそう。
素材感でオリジナリティを追求
素材には自分の好きなものを取り入れました。床にはオーク、キッチンや造作家具にはタイワンスギ、階段には使いこんだ足場板を用いるなど木の特性を活かした空間に仕上げました。新建材が苦手なのでほとんど使わず、コンセントカバーも陶器のものを選んだり、照明にもこだわり自分たちらしさを追求しました。
オンリーワンの家づくりを大切にされたY様。素材も妥協せず、適材適所を心がけ納得のいく仕立てとなりました。自分たちの好きなものを詰め込んだからこそ、他にはない満足度を得ることができたようです。
Uchimise Photo
別荘地という素晴らしいロケーションのなか、自分たちのこだわりをかたちにしたY様邸。室内はインテリアディスプレイや絵を描くことがお好きな奥様のセンスが光る、ミニギャラリーのような住空間が広がります。素材感を活かしたシンプルな間取りは、この先、暮らしながらもさらに自分たちらしい家づくりを楽しむことができるでしょう。四季折々の自然風景を眺めながらの暮らしは、何物にも変えられない贅沢なものとなりそうです。
レポーター:miho
30坪の延床面積をどれだけ広くみせれるかを追求。自由度の高い間取りはご家庭のライフスタイルにフレキシブルに対応できるだけでなく、毎日の家事効率の向上にもつながりました。