Kさん家(宇都宮市)No.0057
経年変化-月日を楽しむ家
おうちデータ
- Kさん家(宇都宮市)
- 築年数・・・1年
- 延床面積・・・40坪
- 好きなインテリアは?
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とにかく、古い物が好きです。アンティーク風ではなくて、本当に年月経たアンティーク。特に、フランスのアンティーク家具が好きなんです。
好きな雑貨屋さん・家具屋さん 古道具あらい・仁平古家具店・krank(福岡)
参考にした雑誌 クウネル・カーサ
- 家を持つきっかけは?
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主人の実家に、土地があったんです。お店もしていたので、それもきっかけかな。
- 購入を考え始めたのは誰?
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主人です。家を建てたいという願望はもともと持っていたみたいです。主人の仕事が造園業なので、関係する建築の勉強を始めた頃から思いが強くなったのかもしれませんね。
- なぜ、この施工会社に決めましたか?
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建築の勉強を通した友人なんです。それで設計を頼みました。実家を建ててくれた工務店さんなので、勧めもありました。
- お気に入りの場所は?
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キッチンが好きかな。吊戸棚は開き方も指定して作ってもらいました。他にもう1ヶ所、洗面ボウルと「コンクリート」にこだわった洗面所です。
- もう一度家を建てるなら、どんな家にしますか?
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キッチンに、もう少し「木」を使った家が良いです。「コンクリート」も使いたいかな。それと、もともと平屋希望だったので、予算を考えなくて済むなら平屋がいいですね。
- これから家を建てる方へのメッセージを
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家は、住みながら作っていく物だと考えるので、住む前から、こだわり過ぎになってしまわないようにして欲しいかな。汚れや傷も、むしろ付けるくらいのつもりで。家族と一緒に「経年変化」を楽しめるような家にしていって欲しいです。
フレキシブルに使える作業スペース
キッチンに、作業スペースは絶対欲しかったんです。お願いして作ってもらいました。作業台の下は、可動式の棚板にしてもらったので使いながら物に合わせて、自由に置けるので便利です。
こだわりの吊り戸棚
吊戸棚は、開き方も「こうしてください」と、こだわってお願いしました。普段使いの食器はここに収めてます。料理しながらすぐに取り出せます。
カフェを思わせるような、白に塗られた木枠の素敵な吊戸棚でした。キッチンの吊戸棚は、ストック食材や保存容器などの収納に使われるイメージを持っていましたが、普段の食事に使う食器なら、料理のあと洗ってしまうまで、その場所でできるので便利ですね。開き方のこだわりも、家事動線をスムーズするのかもしれません。
余ったスペースにロフト!
パントリーの上が、余ったと言うか…何かに使えないかなと主人が考えロフトのような空間にしました。部屋が収納でスペースを取られるのは嫌でしたし、空間を無駄にしないで済んだのでよかったです。
押し入れや、納戸といった収納は、リビングの奥にある1ヶ所だけでした。オープン収納で自由な空間に相応しい、有効活用されたスペースと言えますね。
スペースも時間も自由
仕切りを外して、将来の間取りも自由にできるように設計してもらいました。家族の成長に合わせて、家も作っていくイメージです。この家を建てる時のコンセプトでもあるので、広い空間が実現できてよかったです。
将来は、お店としてのスペースにも寝室にもできる、仕切りのない1階フロア。まだ小さなお子さんたちが、好きな場所で自由に遊ぶ光景が、眼に浮かびました。家族と共に成長する家ですね。
雨の日は要注意・・・
玄関を作らなかったので、雨の日に靴が濡れてしまうんです。出かけていて、急な雨の時は間違いなく全部濡れてしまいます。せめて軒くらいはあった方がよかったかもと、主人と話してます。
普段、出入り口としている真上には、いずれ「ぶどう棚」を予定しているそうです。南側まで蔦を這わせるために準備されていました。少し先になるかもしれませんが、自然の軒が出来上がれば少しの雨はしのげそうです。
湿度と付き合う・・・
梅雨の時期など、湿度が高いと窓の建てつけが悪くなるんです。私の力では、開閉が出来ない時期は主人が担当してくれてますが、ちょっと大変かな(苦笑)
「木」という自然素材は、湿度や寒暖の差などの影響があるのかもしれません。お天気と上手なお付き合いが必要ですね。
質感はあきらめずにコストダウン
キッチンにコンクリートを使いたかったのですが、結局、コンクリート調のタイルをガステーブル周りに使ってもらいました。壁も、漆喰にしたかったけれど、質感の似ているボードにしてもらいました。どちらもコストダウンに繋がってます。
憧れのキッチンをイメージされていて、そこを崩さずに材料を探したり、無理をせず代替えの物を使うなど、こだわりながらのコストダウンは理想ですね。
いらないと思うものは省く
主人の考えでした。玄関のスペースはもったいないから作らないと始めから言ってました。結果、広いスペースが取れましたし、雨の日以外は困りません(笑)
ご主人の一言が、コストダウンに繋がり、広い空間を生み出しました。とても、意外な発想で訪れる方もビックリするかもしれませんね。
木にこだわる
主人が、窓枠は「木」でお願いすると決めていたので、全て建具屋さんに作ってもらいました。
リビングの、庭に繋がる窓にも、こだわりを持たせたKさん邸。木枠の窓は、シンプルな広い空間を柔らかな印象にしていました。
フルオープンになる窓
主人に「こだわり」を聞いたら、真っ先にこの窓のことを話すと思います(笑)お庭はこれからですが、リビングから庭に出られるようにするつもりです。窓は特注で、全て壁の部分に収納して開放できます。建具屋さんは、困ってましたが主人は満足してると思います。
一見、雨戸の戸袋のような仕様でした。建具屋さんを悩ませたのは、その窓の大きさでしょうか。木枠にガラスですから、収納させるには重さも関係するかもしれません。木枠の建具にこだわった、ご主人のご希望で、窓が収納され開放的になるリビングの南側。将来、もう一つのリビングになるのかもしれませんね。
風合いを重視した床
床材には、私がこだわりました。凹凸のない物も考えましたが、結局これにしました。アンティーク調に見せるために削ってあります。設計士さんにも協力してもらって探しました。
「やっぱり、これがいいって通したんです(笑)」と、奥さま。凹凸で、家具がガタガタしてしまうことも話にでたそうですが、2階の床は標準の物でコストを抑えるなどして、こだわったそうです。実際、生活を始めて特に不便もなく、この床材に決めてよかったとお話し下さいました。
コンクリートの洗面台
医療用の洗面器を使ってます。それに合わせてカウンターはコンクリートにしてもらいました。好きな料理研究家のキッチンがコンクリートで作られていて憧れだったので、洗面所に実現できてよかったです。小物は自分で揃えたり持っていた物を使ったり、これから作っていくのが楽しみです。
白。コンクリート。黒。シルバー。モノトーンに統一された洗面所でした。まだスペースに余裕のある洗面台の下は、これからカゴを置く予定だそうです。だんだんお気に入りの物で完成していくなんて素敵ですね。
Uchimise Photo
「経年変化を楽しむ」とお話くださったKさんの言葉が印象的でした。クロス貼りではなくボードを選んだのも、汚れや傷がついていくのを良しとする考えからだそうです。確かに、クロス貼りは、傷がついて張り替えると、そこまでの「家年齢」が止まってしまいリセットされてしまう印象です。木枠の窓や仕切りのない空間が、呼吸して変化していく。こだわりを大事にしたKさん邸は、大きな家族の一員なのですね。
レポーター:レポーター:けい
洋菓子のお店もされているKさん。こちらの作業台で商品のお菓子が作られていくのでしょうか。オープン収納で、用具も取り出しやすく一目瞭然。シンプルに整理された作業台は、効率UPにも繋がりそうです。