あずくん家(真岡市)No.0059
ハウスプランナーハネイシ
温泉スタイルで疲れを癒やす家
おうちデータ
- あずくん家(真岡市)
- 築年数・・・8ヶ月
- 延床面積・・・46.9坪
- 好きなインテリアは?
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とにかく、シンプルで木目が生かされた物が好きです。
好きな雑貨屋さん・家具屋さん 無印良品 VANILLA
参考にした雑誌 別冊PLUS1はじめての家づくり 大工棟梁の知恵袋
- 家を持つきっかけは?
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以前住んでいた家が、子どもの成長もあって、手狭になったのが一番のきっかけです。築年数も何十年だったか…とにかく古かったので冬は凄く寒くて(笑)もともと、家を持ちたいと考えてましたから様々な事が丁度いいきっかけになったんだと思います。
- 購入を考え始めたのは誰?
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主人と一緒に、二人で考え始めたと思います。
- なぜ、この施工会社に決めましたか?
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主人が偶然、展示場に行ったのがきっかけです。そのときの設計士さんが、私が欲しかった「薪ストーブ」を得意分野にされている方だったので決め手になったかも。初めてお話をした時からは、数年たってたんですがご縁があったんですね。自然の流れで決まったような気がします。なにより、薪ストーブは憧れでしたから良い巡り合わせでした。
- お気に入りの場所は?
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お風呂場です。ユニットバスは嫌だったんです。壁も、素材もこだわりました。
一日の疲れを取る所でもあるし、リラックスしたいですからね。
- もう一度家を建てるなら、どんな家にしますか?
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本当は、土地の広さやコストが許すなら純和風の平屋が良かったので、木を贅沢に使った、縁側のある家がいいですね。木と畳の部屋で過ごしたいなって思います。扉などの建具も重厚な深い色合いで、土間などもいいかも。
- これから家を建てる方へのメッセージを
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そうですね…。建築現場に沢山足を運んで、実際に目で見る事が大事だと思います。イメージしていた物と実物とでは、違っている事も多いですから、建築中でも大工さんに思い切って相談してもいいと思うんです。実際、私たちもそのようにして、イメージ通りになった部分もあったので、よかったと思ってます。タイルなどの素材選びも、時間をかけて探してみるといいと思います。意外としっくり来る物が見つかります。焦らない方がいいと思うんです。
役割のある建具
細かい部分ですが、暖かい空気を通すための天窓を部屋に付けたんです。北側の脱衣所は寒いので、隣接しているリビングの暖かい空気を利用出来るように。同じように2階にも付けてもらいました。吹き抜けなので、全体的に温まるけれど、空気の流れを作る意味でも付けてよかったと思います。
思い描いた家事と生活動線
キッチンの作業スペースはもちろん、絶対パントリーが欲しかったので作ってもらいました。パン作りや食品の保管など、前の家ではパントリーがなくて大変だったんです。
お隣の家に隣接している西側は、あまり窓を設置しなかったので、思い切って全面を棚や作業台にしました。外の物置にも直ぐなので、季節の家電やしばらく使わない物など選びながらしまえます。屋根もあるので、少しの雨なら濡れずに済みます。
壁面にたっぷり収納出来そうな、可動式の棚が設けられたパントリーは、作業スペースだけでなく汚れ物を洗うためのシンクも付けられていました。最初から置く事が決まっていたという、お米の保管器材用のスペースもピッタリ。物置へのスムーズな動線は、重たい物を運ぶのにも良さそうでした。
くつろぐための和室使い
客間だけでなく、家族のための和室も欲しかったんです。リビングの直ぐ隣りにしました。横になりたいときもありますものね(笑)今はバリアフリーの考え方で、段差を無くす方がほとんどだと思いますが、ちょうど、畳の厚さ分だけ上げてもらいました。参考にした本に、スリッパなどが滑って入ってしまうと書いてあり、納得でした。フラットにするための畳の厚さ分だけ下げる工程がない分、コストダウンにも繋がりました。
壁面の収納棚を含む、畳8畳の広々とした和室は、洗濯干しスペースに繋がっていて、家事をしながらでも傍で遊ぶお子さんに目が届く、ママ目線の部屋でした。「ゴロゴロしたくなるんですよね(笑)」と、穏やかな休日のリビング風景も目に浮かんできました。
風を通す目隠し
土地が南の通りに面しているので視線を気にして、玄関に、目隠しがわりの格子を付けてもらいました。扉が曲がってしまわないように、夏の日差しを避ける意味でも、日陰を作りたかったので。格子の間隔も図に描いて、私たちで決めたんですよ。
道路に面した南側が、広々として開放感がありました。到着して直ぐ、玄関を探しましたが、ポストを発見。ステキな目隠しのある玄関だなと言う印象でした。適度な間隔の格子も、圧迫感を感じさせず風通しが良さそうでした。
コンセントは多いに限る
コンセントを付けておけばよかったと思う所が、数箇所あるんです。パントリーの作業台の所と、キッチン。それからウォークインクローゼット。リビングも住み始めたら欲しくなりました。どの部屋にも設置されてはいるのですが、片側だけとか使いたい場所ではなかったりなので、失敗したなって思います。
イメージしていた場所に設置したつもりでも、生活を始めると、使い勝手やお子さんの成長などで、使いたい場所が変わる事もありますね。様々な生活スタイルを想定して、多めに設置しておいた方が良さそうです。
デザインには理由がある
キッチン全体としては、とても気に入っているのですが、シンクとガスコンロをだけは使っているうちに、少し不便を感じてます。シンクは、隅の部分が角ばった物を選んだので、その角は掃除がしずらいことが判明。標準の四隅の丸いシンクの方が掃除しやすいですよね。やっぱり、既製品のデザインには理由があるんですね(苦笑)ガスコンロは、グリルのない物がよくて、ちょっと珍しい4口のコンロにしたら、鍋がぶつかってしまうんです。
グリルはお掃除が少し手間がかかる事と、専用のフライパンで焼く事が多い事を考えて、グリルの無い物にしたそうです。デザインはシンプルで好みだけど4口コンロは、勧められないと仰ってました。実際に使って初めて判る部分ですね。
利用できる物は活かして
この辺りは都市ガスなので、ガスストーブが使えるから、ガス栓をもっと部屋に引いておけばよかったです。子供部屋は特に…音も静かだし暖かさが柔らかいですしね。キッチンにもどうかと提案してもらっていたのですが、食材などあまり暖めない方がいいかもと思い、付けませんでした。今思えば、作業台の方は暖かく出来たらよかったかな。
朝起きて直ぐの寒い時間や、外から帰ったときなどは、なるべく早く暖めたいですね。そのときにはガスストーブが活躍しそうです。「2階に灯油を運ぶのは大変ですものね」と奥さまの言葉に頷きました。直ぐに使う予定がなくてもコンセント同様、予算が許すなら多めにあった方が良いのかもしれません。
素材の欠点をカバー
参考にした本に書いてあった事に納得して、お風呂場には床暖房を付けたいって思っていたのに、忘れちゃったんです(苦笑)やっぱり、冬は冷たいので。浴室は寒いし、乾燥させたほうがカビ防止になりますものね。お手入れの事を考えても、付けなかったのは非常に残念でした。
「年取ってから必要って書いてあったの(笑)」と奥さま。なるほど、と思いました。石ですから、ヒンヤリ感もあるでしょうか。せっかくの温泉を思わせる雰囲気ですから、ビニル素材のマットなどではなく、すのこを引かれても良いかもしれませんね。
適材適所の収納と家具
収納としてのスペースを取ったり、市販の家具を買うよりも、その場に見合った収納スペースや家具を作ってもらう事で、結果的にコストダウンになりました。入れる物のサイズに合わせてもらったり、間口を余すところなく利用して作ってもらったりしました。色も合わせられたのでイメージ通りになり、得した気分です(笑)
決められた場所に決めた物を置く事は、「収納」の原点なのかもしれませんね。結果、各部屋が散らからないで済みそうです。生活動線をイメージする事は、活躍しないスペースを生み出してしまわないためにも重要なのかもしれません。
壁の呼吸
外壁は、シラスを使った「そとん壁」です。「自然素材」「防水・透湿機能」などが魅力でした。メンテナンスも殆ど必要ないそうで、住みながら実践されていくコストダウンになるのかなと思います。夏は外壁に水をかけて、建物を冷やすんですって。この夏は、家の中に居てもそこまで暑くはならなかったので、まだ試してないんですけれどね。
住みながら光熱費が節約できるのは、とても魅力的ですね。夏の夕立のあとなど、雨上がりに涼しく感じるかもしれません。メンテナンスも少なく済むのであれば、長期的コストダウンとも言えますね。
無理をしない素材選び
全体的に素材選びに時間をかけました。トイレなどの、普段目に付かない場所はデザインを気にしつつ、壁材などコストを抑えた物を探しました。天井も、普段は細かい手入れなどはしないと思うので、クロス張りやシナ材にしてあります。後付けする照明器具も、自分たちで探して付けました。
「洗面ボールも可愛いのに、低コストだったんですよ」と、奥さま。設計士さんの勧めなども含め、予算に合う物をいろいろ探されたそうです。「設計士さんが探してくれて決めた物もあるんですよ」と、蜜に連絡を取るメリットもお話しくださいました。
水回りの工夫
キッチンや脱衣場、洗面スペース、そこに繋がっているウォークインクローゼットまで、設計士さんの勧めもあって、コルク材の床にしました。防湿性があり、水回りには向いてるみたい。独特の弾力で歩く感触も気に入ってます。表面は加工されているのでお掃除も思ったより簡単です。
ウォークインクローゼットに案内されて、足元の変化に気付きました。家の北側にあるにも関わらず、暖かさを感じるほど。足音も吸収されているようで、静かでした。コルクには、調湿機能や結露の発生を抑制する働きもあるようです。日焼けによるヒビ割れが心配されますが、直射日光の当たらない北側で使用されているので、全く問題なさそうです。
温泉気分でリラックス
壁に檜を使いました。床は十和田石です。ユニットバスにはしたくなかったので素材選びから、こだわりました。鏡や小さな棚も付けなかったんです。シャンプーなどは、使うときだけ浴室に持ち込んで普段は脱衣所の棚に置いてます。置いたままだとカビますものね。殆どお掃除のいらない檜の壁は、魅力的です。
十和田石の特徴に、「水に濡れても滑りにくい」「防カビ防菌機能」カビが嫌うと言う「アルカリ性」とありました。なんて、浴室に向いた材質なんでしょう。拝見した感想は、まさに温泉。一日の疲れを取るリラックスの場に、ピッタリの雰囲気でした。
暖炉に憧れて
薪ストーブに憧れていて、リビングに欲しかったんです。ただ、煙突の掃除や薪割りなどの大変さを考えて躊躇してしまい、蓄熱暖房にすることにしたんです。けれど、偶然見に行った展示場で「ペレットストーブ」が置いてあり、専門の方に説明を受けたら欲しくなって…。薪ストーブを諦めたくらいでしたから、無理を言って完成間際にも関わらず、蓄熱暖房を止めて、このストーブを入れてもらいました。吹き抜けですし、部屋中温められます。2階は暑く感じることもありますよ。
「つけてみますか?」と、日差しの差し込む暖かな日にお話しを伺っていましたが、体験させていただきました。炎がゆらゆらとして、視覚にも暖かさを感じるほど。ススを払う程度のお掃除だそうで、ストーブの上部から温風が出ていましたが、足元まで温かく感じました。「炎を眺めながら暖を取るっていいですよね」と奥さまのお話しに納得です。
タイル使いにこだわって
キッチンにはタイルを使いたかったんです。色も形も選べる物を探して、いろいろ組み合わせながら、時にはメーカーさんに直接質問したりして決めました。外観や手すりなどが落ち着いた紺色を使っているので、明るい色を選んでみました。一枚一枚組み合わせに凄く時間をかけたし、とても気に入ってます。自由に組み合わせが出来るとなると、いろいろ迷ってしまいますけどね(笑)
リビングに通されて、真っ先にキッチンのタイルに目が行きました。白がベースの水色と黄色、クリアのタイルは、控えめな明かり取りの窓でもキッチンを明るくしていたと思います。ガステーブル前のリビング側の壁にも、同じタイルが貼られて明るさを演出していました。
Uchimise Photo
終始、その素材でいいのか。その間取り、場所でいいのかなどを考えるために、時間をかける事を大事にした方がいいとおっしゃっていた奥さま。現場に足を運んで、実際の建築現場で色、形、デザインなど確認しながら、家づくりに関わってきたそうです。建てながらイメージに近付けて行った「あずくん家」は、家を買ったのではなく、一緒に家を作ったと言う事なのかもしれないですね。「お庭はこれからだし、いつかカフェなども出来たらなと思ってるんです」と、通りに面した広いお庭を前に、お話しくださいました。これからもよりイメージに近付けて行く家づくりは続くのかもしれません。
レポーター:レポーター:けい
「この窓開くんですよ」と開けていただくまでは、嵌め殺しの明かり取りだと思ってました。
リビングの入口の扉に使われていたガラスと同じ「泡ガラス」で、部屋のアクセントにもなって一石二鳥。「本当はもっと泡の入ったガラスがよかったんだけど(笑)他のガラスも揃えたかったので」と、コストを抑えた物にすることで、統一を可能にしたお話しもしてくださいました。光熱費の節約にも繋がる、小さくても大きい役割を持った窓ですね。