そうちゃんち(宇都宮市)No.0086

造る・探す・考える こだわりの家

おうちデータ

  • そうちゃんち(宇都宮市)
  • 築年数…4年
  • 延床面積…35.5坪
好きなインテリアは?  

無垢の木が好きなので、それに合う素朴なインテリアが好きですね。特に○○風でないと、というこだわりはありませんが、和の感じは好きですね。
好きな雑貨屋さん・家具屋さん  アレッダ
参考にした雑誌 チルチンびと・ 栃木で建てる

家を持つきっかけは?

当時住んでいたアパートが寒かったんです。冬場はストーブの前が定位置で、トイレもお風呂も寝室も寒かったからもう動きたくなくて(笑)。快適な暮らしがしたいと一戸建てを持つことを検討しはじめました。子どもも当時は一人でしたが、いずれ手狭になるだろうと思っていたのもありましたね。

購入を考え始めたのは誰?

どちらともなくですね。資料請求や見学会の申込みなど、実際に行動に移すきっかけを作ってくれたのは夫、私はご意見番のような感じでした(笑)

なぜ、その施工会社に決めたのか?

資料請求は20社くらい、見学会は5社くらい回ったと思います。棚や家具を造作してくれるのが得意だったり、建具は建具屋さんが、幅木は大工さんが作ってくれるのが標準仕様だったり。自分たちがこだわりたいと思っていたところを、こだわっている会社だったのが決め手ですね。実は、数社に実際に図面を引いてもらったんですけど、土地の形に合わせて家の形状を四角ではなく、リビングに斜めの壁がある変形にしたのはこの会社だけだったんですよね。それがとても斬新で、気に入ったというのも大きな要素です。

お気に入りの場所は?

そうですね…キッチンでしょうか。ここに立つと、3つある掃き出し窓の外の景色が一度に目に入るんです。この冬は、ソヨゴになる赤い実を、ツグミという渡り鳥が2週間ほど食べに来てたんですよ。家の中から、そんなシーンが見られるなんて、すごく幸せを感じるんですよね。

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

この家は、子育てをすることを考えて決めた間取りなので、どこにいても家族の気配が感じられるようにと、とても開放的な造りなんですよね。もし老後もう一度建てることがあったら、小さくてもいいから、夫婦それぞれのスペースがきちんとある、そんな家を考えるのも楽しいかもしれませんね。

これから家を建てる人へのメッセージは?

工務店さんには、存分にわがままを言ったらいいと思います。私は遠慮してしまって、「もっとこうしてほしい」的なことをあまり言えなかった方なんですが、夫は言い過ぎじゃないの?というくらい言っていたんです。でもそのおかげで、住んでからの「あのとき言っていれば…」という後悔がありません。家を建てるなんて、一生に何度もあることじゃないから、思いっきり欲張りになったらいいんじゃないでしょうか。

ウチミセレポート

吹き抜けは子育て世代にぴったり

我が家は、リビングの上部に吹き抜けがあります。建具はすべて引き戸なので、開け放つと家全体がつながった空間になるんです。2階の子ども部屋に、今度小学生になる息子の勉強机を置いたのですが、ちょうどその場所からキッチンにいる私の姿が見えるので、寂しいと言わず使っていますよ。

子ども部屋を作ったが、実際使うのは小学校高学年以降なんてこともよく聞きますが、吹き抜けを介して、お互いの気配が感じられれば、孤立することなく、子ども部屋を勉強・遊びの場として活用できますね!吹き抜けをつくると床面積を少し削ることになりますが、その何倍も、家全体を有効に使うことができているようです。


広々ウッドデッキは視覚的にも使い道も◎ 

元々広いリビングを希望していた私たちですが、設計士さんの提案で、リビングはコンパクトに、その代わりにリビングの延長として使える広々としたウッドデッキを付けることに。室内からの眺めも広がりと感じますし、ウッドデッキで食べるおやつは特別感があるようで、子どもたちもとても喜んでいます。

「広いリビングが欲しい」という希望をそのまま実現させていたら、建築費用もずいぶん上がっていたでしょうね。望みの根本をウッドデッキという別の形で叶え、その空間がさらにおうちを楽しい場にしている…すばらしい提案ですね。


窓をたくさんとり、家の中に庭の景色を取り込む

どんな家にしようか考え始めた当初から、私たちには「雑木林に佇む家」というイメージがありました。家の中から庭の景色を楽しめるように、窓は大きなものをたくさんとってあります。昼間は障子を開け放ち、望んだ通り開放感たっぷりに暮らしています。

引っ越してから、ご自身たちでコツコツとつくってこられたというお庭はとても趣味の範囲内とは思えないほどのクオリティ。そんな庭を眺めて過ごすことを前提としてつくられた家だけに、窓の取り方も工夫されています。家ができてからの庭ではなくて、家と同時に庭のことも考えると、庭が活きる家になるんですね。


キャットウォークに室内干しスペースを確保

吹き抜けのキャットウォーク上に物干し金具を付けてもらいました。雨の日や冬場、花粉の時期に大活躍です。

室内干しスペースを、日当たり抜群の窓辺に設けられれば、冬場など室外よりもよく乾きそうですね。どういうときに室内干しを活用しそうか、ご家族のライフスタイルをよく考えて室内干しの場所を検討することが必要ですね。



失敗ポイント

洗濯物の干し場、よく考えればよかった

リビングの大きな掃き出し窓の外のウッドデッキには軒がかかっているので、そこから物干し金具をつけて、外干しの場にしています。よく乾くのですが、ここに干すと…リビングから洗濯物が丸見えなんです。室内からの見え方については全く考えていなかったんです。お客様がいらしたときに困りますね。

確かに、洗う→干す→畳む→しまう、の洗濯動線の他に、室内や外からの洗濯物の見え方も、気にしておくとよさそうですね。


玄関が狭かった

リビングを広くしたかったので、玄関は通り抜けるだけだしと必要最小限の広さにしました。引き戸のあるシューズクロークを除くと、土間部分と玄関ホールと合わせて1坪ですね。でも、やはり玄関はおうちの顔。もう少し広ければ、気分的にもゆとりある空間になっていたのかなと思います。

確かにお子様が小さいうちは、特に家族で出かけるときなど玄関にゆったりしたスペースがあるとよさそうですね。家が建つまでは、なかなか実際の広さの感覚が分かりづらいので、お友だちの家で広さを測らせてもらうなどして、イメージが掴めるといいですね。


ちょっと籠れるスペースもあればよかった

家全体が開放的なのが我が家のいいところなのですが、逆に、子どもはいるけど少しパソコンや仕事がしたいときなど、1階にちょっと籠れる場所が欲しいと思うときがあります。完全に仕切られてなくても、壁の影になるような場所があれば、もう少し落ち着いて作業できたかも…。

家族と過ごす時間は長いので、一緒にいながらも別々のことをしたいとき、確かにありますよね。間仕切り等利用して落ち着く空間はできそうですね。


太陽光パネル、最初から載せておけば…

家を建てて数年してから、太陽光発電に興味を持ちだして搭載したのですが、どうしてもその配線が外壁の外に出てしまって…。新築するときから計画しておけば、きれいに壁の中に収められたそうで…悔やまれます。

家を建てるときと建ててからでは、太陽光発電の配線の収まりが変わってくるんですね!屋根の向きや傾斜なども、太陽光発電の効率やそもそも搭載できるできないに関わってくることなので、いつかは太陽光パネルを…と思っている方は、その旨建築会社さんにお話しされておいた方がよさそうですね。


コストダウンポイント

壁の珪藻土は自分たちで!

1階部分の壁の珪藻土は、工務店の方にやり方を教えてもらって、自分たちで塗りました。家族総出で結構大変でしたが、珪藻土の質感や、汚れが落ちやすいところはとても気に入っています。2階は珪藻土入りクロスにしました。

珪藻土は壁紙よりもどうしても割高になってしまいますが、自分たちで施工をできれば、かなりのコストダウンになりますね!見た目も自分たちでやったと聞かないと分からないほどのきれいな仕上がりでしたし、何より家に愛着が沸くし、いい思い出になったでしょうね。


可能なものは施主支給!

洗面台の鏡と収納、ダウンライト以外の照明すべて、便器まで!自分たちで現物支給が可能なものはすべて選び、手配しました。

様々な設備も、一般の人が、インターネットで、価格を比べながら気軽に購入できる時代になりましたね。コストダウンにもなるし、積極的にマイホームづくりに参加するという意味でも、可能な範囲で施主支給するのはよさそうですね。


2階の床は節ありのものに

我が家の床は杉の無垢材です。1階は、すべて節のない板にしてもらいましたが、2階部分は節ありです。半額まではいかないまでも、結構なお値段の違いがあったと記憶しています。

節のあるなしでそんなにお値段が変わるのですね!見た目の印象も随分違うので、同じ木でも、節によってコストもイメージも変わってくると覚えておくとよいですね。


玄関の軒を支える柱、安くしてと言ったら…

玄関先の軒が深いので、支えのための柱がついています。当初、2本の柱だったのですが、何とかコストダウンできないかと相談したら、このようにY字型のものを提案してくれました。溶接の手間などかかったと思いますが、素材の量の差でこんなに値段が変わるのか、と驚いた記憶があります。

構造的に耐えうるかどうかなど、専門家でないと分からない部分は家づくりの中でどうしても出てきますよね。むやみに値切るのはよくありませんが、相談をするとこのように、知恵を出してコストダウンをしてくれることもあるんですね!建築会社さんのその姿勢、素晴らしいですね。


こだわりポイント

造作家具のための無垢板を買付ツアーで!

図面が出来上がったころ、工務店のお客さん10組くらいとバスに乗合で、会津まで無垢の板の買付ツアーに行ったんです。そのとき買った板は、玄関ドアやパソコンカウンター、本棚など、家中のあらゆるところで使われています。どんな板がいいか工務店の方にアドバイスいただきながら選ぶのはとても楽しかったですね。

自分たちがよいと思って選んだ板が造作家具になるなんて最高ですね!端材も、飾り棚として余すところなく活用されていて、家中、木の存在感がたっぷりです。ひとつひとつの板に、どういうところがよくて選んだというストーリーがあるので、家への愛着へと結びついていますね。


キッチン収納も無垢の木で

無垢の木でキッチン収納を作ってくれるところをインターネットで探したのですが、デザインや木の使い方などがとても好きだと思えるお店が長野県にあったんです。主人に出張の帰りに店まで行ってもらって、オーダーしました。例えば引き出しの前板の木目が揃っているなど、細かいところまで気を遣って、木の風合いを生かした家具に仕上げてくださったので、とても満足しています。

長野の栗の木を使ったキッチン収納は、木のぬくもりを大切にしたお宅にぴったり。妥協することなく、自分たちの本当に気に入るものを探し求める姿勢には頭が下がります。家づくりをしているときは大変でも、その後何十年も住まう家ですから、できることは全部やった方が後悔がないでしょうね。


床材を20種類の中から決定!

木にこだわった家にしたいと、特に床材は慎重に選びました。インターネットで木材を扱うショップを見つけ、20種類くらい板を取り寄せたんです。寒い部屋にそれらを並べておいて、その上を素足で歩く、という実験(笑)をして、一番あたたかいと感じた杉の木に決めたんです。

無垢の床にしたという方でも、ここまでこだわられた方は少ないのではないでしょうか。見た目の好みと、固いか柔らかいかで決められる方が多い中、こんな実験まで!ここまで比べて選んだものだと、納得感、満足度が違うでしょうね。


ウィンドウトリートメントは障子!

家づくりを考え始めたころから、カーテンではなく、障子にしようと決めていました。引き込むと窓枠にかからず、全開にできるし、木と和紙の組み合わせが好きなんです。格子が整然と並んだ感じや、光が透ける感じも気に入っています。

フローリングと障子の組み合わせは新鮮でしたが、確かに無垢の床と木枠の障子は相性抜群!お子さんがまだ小さいので、ワーロンという強化障子紙を使われているそうです。○○風と、ご自身の好みを決めつけないご夫妻だからできた、素敵なインテリアですね。


Uchimise Photo 


レポート後記

kage 木をたっぷり使い、その木にもひとつひとつこだわったお宅。仕上がりが素晴らしいのはもちろん、家をつくっていく過程随所にお客様が参加されていたのが、とても印象的でした。考える、選ぶ、施工する…家づくりに深く関われば関わるほど愛着が増し、長く暮らすと、その愛着は増していくのですね。家づくりの楽しさを教えていただいた、素敵なおうちでした。

レポーター:kage