ウィンディーの家(宇都宮市)No.0087
伴工務店

風の通る家

おうちデータ

  • ウェンディーの家(宇都宮市)
  • 築年数…9ヶ月
  • 延床面積…50坪
好きなインテリアは?

若いころからバリなどの南国っぽいテイストが好きだったり、アメリカングラフィティのような50~60年代のクラシカルなアメリカの雰囲気に憧れたり。そういうテイストが好きなところは変わりませんが、今はシンプルでナチュラルな素材のインテリアが落ち着きますね。古民家や、古い建材や建て具を取り入れて作られた家も大好きです。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん

Aming・無印良品・最近はニトリも素敵ですよね

家を持つきっかけは?

以前建っていた家は、長い年月を経てだんだんと傾いてきていたんです。それに加えて数年前の大雪の年には、屋根の隙間から雪が入ってきてしまい、そのまま溶けてひどい雨漏りのようになってしまって…。その時にはさすがにこれは建て替えが必要だな、と思い、それが家を建て替えるきっかけになりました。東日本大震災のときはひやひやしましたが、なんとか持ちこたえてくれてほっとしました。

購入を考え始めたのは誰?

もともと建っていたのは築100年程の家。老朽化もかなり進んでいたので、私たちの代での建て替えは必要だろうな、と二人ともなんとなく思っていました。なので、どちらがということはなく、家の傷みが進むにつれてなんとなく決まっていった感じです。

なぜ、その施工会社に決めたのか?

最初は、”ザ・日本建築”のような家を建てる建設会社と少し話をしていたのですが、やり取りが少し停滞気味だったんです。そんなとき友人が、見学会のチラシ制作を依頼されていたそうで「こんな見学会があるよ」と教えてくれたのがこちらの施工会社でした。行ってみたら、日本建築をモダンにしたとても素敵な建物。他のも観たくなって続けて5件ほど見学会に参加するうちに、建てるならこの工務店に依頼しようかなと思うようになりました。

お気に入りの場所は?

玄関が一番気に入っています。なんていうか、入った時の空間の雰囲気が好きなんです。玄関ホールの壁は外壁と同じ塗料を塗っていただいているので外と緩やかにつながっている感じがします。玄関扉の大きく取ったガラスから光が入ると、壁の凹凸が模様のように浮かび上がるんですよ。夜、明かりを点けるとまた違う表情になって、飽きないですね。ちなみに下の娘は、和室の引き出し収納がお気に入り。気付くと、自分で引き出しを開けて中に入り込んでいます。

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

できることなら平屋がいいですね。ワンフロアで仕切りを作らず、なんとなく相手の存在が分かるような家がいいなと思います。ずっと平屋だったので二階建てに一度住んでみたいと憧れていたのと、子どもたちに自分の部屋を作ってあげたかったので、今回は二階建てにしました。でも次に建てるとすればきっと、子供が独立した後夫婦で住まう家だと思うので、二人でちょこんといられるような、小さな平屋を建てたいですね。

これから家を建てる人へのメッセージは?

わがままをたくさん言ったほうがいいですよ!「こんなことはやってくれないだろうなー」なんて決めつけずに、やりたい、と思ったことはまず相談するのをお勧めします。無理じゃないかな、と思ったことも、いろいろな方法を考えてできる限り希望をかなえてくれますよ。できないところはできない、とちゃんと言ってくれますから大丈夫!ひとりで悩むより、プロに聞いてしまったほうが早く解決しますよ。

ウチミセレポート

たくさんの窓のおかげで明るくて風通しの良い家に

風の通る家を!!とお願いして設計していただいたのですが、本当にその通りの家になりました。窓が多くとられていて、風通しがとてもいいんですよ。通常より幅の広い窓を使っていただいているので、とても開放的です。以前の家は昼間でも薄暗かったのですが、窓のおかげで光がたくさん入って、とても明るいところも気に入っています。

リビング一面に広がる窓からは、お庭が見渡せてとても落ち着きます。ちょっと引っ込んだところにある二階のトイレにも天窓を設けてあり、収納以外の部屋はどこにいても本当に明るくていいですね。夏は風通しのおかげで冷房要らずではないでしょうか。


洗面所はメンテナンスし易いものを

洗面所やお風呂場は、将来のことも考えてスペースを広くとりました。お風呂場のドアも引き戸にしてあるので、より広く使えます。洗面台は、コーティングが施されていて水がこぼれても拭くだけで大丈夫なんです。メンテナンスが楽ちんで、助かっています。

引き戸だと開口部が広くとれるので、将来介護などが必要になった時にはとても使い勝手がよいのではないかと思います。モールテックス仕上げの洗面台、無骨な温かみがあってステキですね。


雨の日の洗濯物はここでばっちり

二階のメインの部屋は、寝室です。勾配のついた天井で、最初は低いかなと思いましたが慣れましたね。大きな窓の前には物干し竿を下げられる金具をつけていただきました。雨の日はここで洗濯物を干せるので重宝しています。寝室の照明は、点けると影のラインが壁に投影されてとても素敵なんですよ。お気に入りの照明です。

屋根の一番高いところが見えるお部屋は、屋根裏好きの私にはうらやましい限りです。室内に洗濯物を干せる場所があるのは大助かりですね。大きな窓の前ですので、風も日差しも良く入り、乾きも早いのではないでしょうか。



失敗ポイント

暖かいのはとても嬉しいのですが…

以前の家はまさに農家、と言う感じの、広い土間があって冬はとても寒い家でした。その半面、食べ物などの保管には適していて、野菜や調理済みの食品等はキッチンの隅が保管場所だったんです。新しい家で、以前の家と同じ感覚で食材をキッチンに置いておいたら、傷んでしまってびっくり!家の中が暖かい、ってことなんですね。食材をどこにどう保管しようか、悩み中です。

以前の家には土間もあったということですので、野菜など食品を保管するスペースには事欠かなかったのだと思います。そのイメージで食材を同じだけ保存しようと思うと、確かに今の家では難しそう。新しい家での食材の保管について、犬走りなどをうまく使った方法が見つかるといいですね。


仏壇に正面向いて手を合わせられない!

和室に仏壇を置くスペースを作っていただいたのですが、この場所、こたつを置いてしまうと仏壇の前で手を合わすスペースがとても狭くなってしまうことが分かりました。座ってお参りしてお辞儀をしようものなら仏壇に頭を突っ込んでしまうんです!仕方なく斜めに座ってお参りしているのですが、こたつに人が座っているときはどいてもらわないといけないし…。ちょっとこの場所は失敗でしたね。

毎日のことなので、仏壇の前にしっかりスペースを取っておけばよかったですね。大きかったり変更できないものは特に、どこに置いてどう使うのか、シミュレーションしておくことが大切ですね。


掃除のことを考えていませんでした

普通よりサイズの大きい窓が多く、また窓の数も多いため、年末の大掃除のときは本当に大変なんです…。カーテンのサイズも普通には売っていないサイズなので、特注で作っていただきました。窓でこんなに苦労するとは思いませんでしたね。窓が多いので壁が少なく、つくりつけの収納が少なめになってしまったのもちょっと残念です。

窓が大きくて多い、というのはメリットも多いですがデメリットもありますね。掃除が大変だというのも納得です。壁がないと置き型の収納も置くのが難しいのですが、収納を選ぶ楽しさ、もぜひ味わっていただけたらと思います。


棚に収納ケースが収まらない!

寝室の続きにウォークインクロゼットを作っていただきました。その中に、造作で棚を作っていただいたのですが、引っ越しの後いざ棚にモノをしまおうと思ったところ、以前の家で使っていた収納ケースが入らない!という事態が発生。棚のサイズをしっかり測って、収まる収納ケースを購入する予定です。

せっかく造作で棚を作ったのに手持ちの収納グッズを生かせないのは、本当に残念ですね。でも、考えようによっては使いこんだ古い収納を一新し、統一するチャンスです!整理収納した上で、寸法をしっかり測って、ぴったりの収納を選んでくださいね。


コストダウンポイント

総二階をやめました

この家は、外から見ると一階建てみたいに見えますが、実は二階建て。二階の部屋は屋根裏部屋風になっています。最初は総二階建てを考えていたのですが、屋根裏部屋風にしたほうがコストを安く抑えられますよ、とご提案いただいてこの形になりました。すこし天井が近いので、私より背の高い主人はぶつからないように気を付ける必要がありますが、思ったより広々としていて、いいですよ。

部屋の天井は確かに低くなりますが、高さがなくても気にならない、寝室やお子さんのお部屋として利用されていていました。お部屋の使い方が上手ですね。


土間→犬走りにして、コストダウン

土間を広く取っていただくようお願いしたところ、軒を深くとって、そこにに広い犬走りを設けてはいかがですか?とご提案していただきました。床面積が小さくなる、ということでそうしていただいたのですが、深い軒のおかげで雨も吹き込まず、重宝しています。母は縁台を置いて涼んだり、干し柿造りを楽しんだりしています。

家の中にある土間は、建て坪に含まれてしまいますが、犬走りは含まれないので、床面積が小さくなるのだそうです。軒に互い違いに埋め込まれた灯りを点灯すると、小路のようで素敵です。


価格を抑えてシンプルにしました

キッチンにはあまりこだわりがなかったので、システムキッチンはリーズナブルなものにして、コストダウンしました。主にキッチンを使う私のサイズに高さを合わせていただいたので、洗い物などするときも体が楽ですね。最新のシステムキッチンはいろいろな機能がついているのだと思いますが、そういうものがない分シンプルで分かりやすく、使い勝手も気に入っています。

サイズの合ったキッチンは、洗い物や調理の際の腰の負担を大幅に軽減してくれますよ。ものによっては細かい調整ができるタイプもありますので、キッチンを選ぶ際には確認するといいですね。


こだわりポイント

できるだけ古材を活かしていただきました

以前の家の古材を使ってほしい、とお願いしたところ、茶の間の飾り柱や玄関ホールなどに使っていただくことができました。曲がっている古材を使いたかったのですが、以前の家を解体してみたら、あまり曲がったものがなくてちょっとがっかり(笑)。その中でも比較的曲がっているものを、玄関の下駄箱の上に取りつけていただきました。裏の間接照明を点けると、とってもいい雰囲気になるんです。

まるで料亭の入口のような、とても趣のある玄関ホールです。吹き抜けにあしらわれた古材がいい味を出していますね。玄関の洗いだしは赤い色がアクセントになっていて、とてもかわいらしい仕上がりになっています。上の娘さんが選んだそうですよ。


以前の家から引き継いだ引き戸を和室の仕切りに

和室の仕切りに使っている引き戸は全て、以前の家の茶の間で使っていた引き戸を再利用したもの。ひとつだけある小さな引き戸は、玄関ホールから直接和室に入れる入り口なんです。もともとは普通のサイズだったのですが、小さく作り直していただきました。以前の家でも猫を飼っていたのであっちこっちがりがり引っかかれたりしているんですけどね。小さいころの落書きも残っています。

リビングで一段と目を引く引き戸は、その年を重ねた風合いが部屋全体を引き締めています。格子戸なので、閉じた状態でも中の様子がうかがえて、小さいお子さんをお昼寝させたりするのに重宝しそうですね。猫の爪とぎ跡や落書きがあるところが、却って素敵です。


見学会で見た建て具がヒントになりました

よそのお宅の見学会にで、押し入れの襖にすだれをはめ込んだ建て具を使っていたところがあったんです。それが気に入って伝えたところ、玄関ホールからリビングへの出入り口に使いましょう、ということになりました。すだれのままだと玄関ホールの冷気が入ってきてしまうので、ポリカーボネートですだれを挟んで、引き戸にはめ込んでいます。このドア越しに見るリビングの感じがいいんですよ。

こういう建て具、初めて見ました!ポリカーボネートなので、ガラスより安価な上、軽くて丈夫なのでこういった使い方にはもってこいではないでしょうか。いろいろな見学会に参加されたからこそ生まれた引き戸ですね。


Uchimise Photo 


レポート後記

カリカナリホ 河川敷に広がった田んぼの向こうに見える、大きな屋根が印象的。深い軒とリズミカルな格子が、程良く品のあるイメージを演出しています。玄関扉を開けると、どっしりとした古材を活かした玄関ホールがお出迎え。一階は以前の家の柱や調度を活かしたシンプルな和モダンの雰囲気ですが、二階に上がるとどこか冒険心をくすぐる屋根裏感にわくわくします。季節や風や光を肌で感じつつ快適に暮らしたい、そんな希望をかなえるひとつの答えではないでしょうか。

レポーター:カリカナリホ