グリコちゃんち(小山市)No.0097
オーガニックスタジオ

こだわりインテリアが映える家

おうちデータ

  • グリコちゃんち(小山市)
  • 築年数…2年
  • 延床面積…40.83坪
好きなインテリアは?

ナチュラルだけどかわいすぎるのではなくて、ちょっと男の子っぽい、かっこいい感じが好きですね。アンティークというよりはビンテージという表現になるでしょうか。ファッションもそうなんですが、シンプルだけどかっこいい、シャープさがあるインテリアが好みです。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん

TRUCK

参考にした雑誌

Come home!

家を持つきっかけは?

2人とも出身は栃木なんですが、東京で結婚してマンションを購入していました。二男を妊娠し、長男の幼稚園入園が近づいてきたときに、地元に戻ってのびのびと子育てをしたいと思うようになったんです。地元で暮らすなら両親と同居をという想いもありましたので、戸建てを考えるようになりました。

購入を考え始めたのは誰?

私ですね。夫は私につっつかれて考え始めたという感じでしょうか。私がこんなインテリアがいい、あんなこともしたいと色々想像を膨らます役割で、夫が予算や銀行のことなど現実的なことを担当してくれていましたね。

なぜ、その施工会社に決めたのか?

私は人と同じというのが好きじゃないし、自由に家づくりをしたかったので大手ハウスメーカーではなく工務店で建てようと思っていました。ホームページで工務店を探しているときに、この工務店の施工例を見てビビッときたんです。軽く要望を話して出してもらったファーストプランが本当に素敵で、ほぼそのままこの家になりました。要望に対して何とか叶えてくれようとするその姿勢も、お願いしたいと思った要因ですね。

お気に入りの場所は?

私はキッチンです。ここに使うタイルには随分こだわったんです。色や艶の出かた、貼り方まで…。大好きな家具屋さんTRUCKのカフェに一番イメージが近いものを選び、満足する空間に仕上がりました。子どもたちは、子ども部屋のロフトが大のお気に入りですね。今はおもちゃ部屋にしているんですが、友だちが遊びに来たりすると、もう籠ってしまって出てきません(笑)

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

今は小型犬を室内で飼っているのですが、大型犬も家中を走り回れるようにリビングも全部土間、みたいな家にも憧れますね。あとはご近所さんの迷惑など気にせずに、庭でバーベキューができたり、暖炉があったり、そんなことができる郊外に家を建てるというのもいいですよね。

これから家を建てる人へのメッセージは?

要望を「ちょっとこれ無理かも」と自分たちで諦めてしまわないで、工務店さんに何でも相談してみるといいと思います。100%叶えることは無理でもこういう方法もあります、という提案をもらえたり、素人では想像もつかない解決案や妥協案を提案してくださったりするので。さすがプロ!と感動する場面が何度もありましたよ。あとは、土地や銀行探しは段取りが分からず結構大変だったので、覚悟しておいた方がいいと思います。

ウチミセレポート

「押入れ型」ロフトは絶好の遊び場!

子ども部屋にあるロフトは、はしごで上っていく中二階ではなく、広くて天井高の低い押入れのような空間です。子ども部屋が狭いかも…と相談したところ、この空間を提案してもらいました。今はおもちゃ部屋として大活躍。危なくないし、扉を閉めればどんなに散らかっていてもさっと隠せちゃう(笑)。黒板塗料を塗ったり、お店屋さんの什器を作ったりして私も空間づくりを楽しんでいます。

確かにこれは、はしごを上るロフトよりも日常的に使えそうですね!天井が低く隠れ家のような空間、子供は大好きですよね。


玄関からキッチンにつながる土間パントリー

玄関の上り框の手前、右側に扉があり、キッチンにつながる土間のパントリーになっています。買い物をして帰ってきて、そのままパントリーに仕舞え、キッチンに通り抜けられるんです。土間だから、土がついた野菜もそのまま置けてとっても便利。リビングにあまり収納を設けなかった代わりに、容量たっぷりのここに日用品ストックや季節家電なども全部収納しています。

キッチンからも玄関からもつながっているので、パントリー兼、玄関収納兼、納戸、とも言える優れものの収納ですね。広いだけでなく、場所もよく、L字型の可動棚が設置されているので、とても使いやすそうです。


造作収納は見た目よし!使い勝手よし!

収納はほぼ造作してもらって、大きな家具は何も買いませんでした。私は片付けが苦手なんですが、例えば家族用の玄関には掃除道具や子どものヘルメットが吊り下げられるようなポールを付けるなど、片付けやすい仕様を提案してくれたんです。収納扉の有無などのリクエストを聞いてもらった上に、自分では思いつかないような造作収納にしてもらってとても満足しています。

特筆すべきは脱衣室の収納で、脱いだものを畳むカウンターを兼ねる深めの棚と、上部は奥まで使い切れるようにと浅めの棚が組み合わさっています。設計を重ねるうちにたどり着いたという収納は本当に使いやすそうでした。


階段下をピアノスペースに

設計が随分進んだ段階で、ピアノの存在を忘れていたことに気づいたんです。どこか置ける場所がないかと相談したところ、元々は階段を挟んで向かい側の、両親の部屋のミニキッチンスペースとして取ってあった階段下をリビング側から使い、ピアノスペースにすることができたんです。引き込み扉をつけてもらったので、使わないときは隠しておけて、インテリアも邪魔しないし、これは正解ですね!

黒塗りで存在感のあるピアノは、部屋のインテリアに馴染ませるのに苦労すると聞いたことがあります。階段下に扉をつけて収納するという選択肢、ピアノをお持ちの方は頭の片隅に置いておかれるとよさそうです。



失敗ポイント

パイン材に色をつけたら…

我が家の床は、パイン材にオイルステインで着色しているのですが、パイン材は柔らかいので傷がつきやすいんです。犬や小さな子どもがいるから余計ですよね。そうすると、傷の部分から、着色していない色が見えるので、目立つんですよね。雰囲気は好みに仕上がったのですが…。

深めの色の床だったのでパイン材と聞くまで分からなかったほど、着色すると雰囲気が変わるのですね。ビンテージな感じのインテリアなので、私にはむしろ傷がいい味を出しているように感じました。


漆喰の壁には画鋲を刺せない!

私は色々飾るのが好きなんですが、漆喰の壁には画鋲が刺せないんですよね。いや、刺しちゃってるんですけど、刺した周りがぼろぼろ剥がれてきてしまって。穴を修復するにも、手軽にできるクロス用のものではやっぱり合わなくて、そのために漆喰を塗るというのも手間だし…漆喰の性質を知っていれば、どこか一部を板壁にするとか、思いっきり画鋲をさせる場所を作ったのにと後悔しています。

「どこか一部に貼れる場所を」という奥様の発想は、家に溢れる「わくわく」を象徴しています。確かに、使いたい素材も飾ることも諦めずに、その妥協点はありそうですね。DIYの得意な奥様ならその場所を作れそう!


エアコンを設置しようとしたら…

引っ越した後、エアコンを業者に取り付けに来てもらったら、カーテンレールが邪魔をしてスペースが足りず、取り付けられなかったんです。そこから、カーテンレールを外し、レールをカットしてもらい、やっとエアコンを取り付けることができました。最初からエアコンも込みで工務店さんにお願いしていれば、こんな面倒なことにならずに済んだのでしょうね。

カーテンレールとエアコンの取り合いにまつわる失敗はよくあるようです。特に飾りがついたカーテンレールは要注意!数センチの差で取り付けられないということも。購入予定のエアコンサイズを知ることは必須ですね。


床下空調に犬の毛が…

床置型エアコンによる床下暖房システムを施工してもらったのですが、その吹き出し口の場所が犬のゲージのすぐそばなんです。多分効率はここが一番よかったのでしょうけど、犬の毛が入ってしまうんですよね。なかなか床下まで掃除はできないので、違う場所にしてもらえばよかったと後悔しています。

吹き出し口にはフィルターのようなものをセットするなどして、床下にゴミが落ちにくくする用法はあるでしょうが、確かにゴミが頻繁に出る場所かどうかも、吹き出し口の場所を決める際に考慮するとよさそうですね。


コストダウンポイント

漆喰の種類を変えて全室漆喰壁に

壁と天井には天然素材を使いたいというのは、家づくりを考え始めた頃からの希望だったのですが、予算の都合で2階はクロスでも仕方ないかなぁと少し諦めていました。しかし、ほたて漆喰に変更することで、2階も予算内で漆喰の壁にすることができたんです。素人には分かりづらい材質とコストの関係ですが、要望を叶えるように上手にコントロールしてもらったと感謝しています。

ほたて漆喰の壁は、このお宅のかっこいいインテリアの中にも優しさやあたたかさを醸し出していました。予算を抑えるのに漆喰の種類を変えるという選択肢があるのというのは、教えてもらわないと分からないですよね。


床材は色でイメージに近づける

本当は、ウォルナットとか足場材のような床材に憧れていたのですが、予算的に厳しくて…。パイン材にオイルステインで色をつけ、雰囲気を理想に近づけるようにしました。色の染み方も、木材によって違ってくるので、サンプルで色々見せてもらって決めたんですよ。コストは抑えてイメージに近づけることができたと思います。

パイン材というと、どちらかというとカントリーテイストなイメージを持っていましたが、色がつくと印象が随分変わりますね。オイルステインで着色すると、木の温かみはそのままにイメージを変えられるんですね。


憧れの照明は「似たもの」で

マイホームを建てたら取り入れたいと思っていた照明がいくつかあったのですが、予算的に厳しいものは、工務店さんが似たテイストのものを探してくれました。照明やカーテンは別料金のところがほとんどだと思うのですが、この工務店さんはそれも予算に入れて考えてくれました。トータルでコスト管理ができたりインテリアのアドバイスがもらえたのでよかったですね。

工務店の方が、コストダウンに協力して似たものを探してくれるという点も、自分の好みを熟知してくれているという点も、とても嬉しいですね。確かに名作照明はとてつもなく高額ですもんね…。


こだわりポイント

愛犬用のスペースをリビングに

東京でマンションに暮らしていたころから室内で犬を飼っていたんですが、おしっこを床にするとワックスが剥がれたり、匂いがついたりするので、防水シートを敷いてとても気を遣っていました。なのでマイホームには、リビングの一角にタイル敷きの犬用スペースを作ってもらおうと決めていたんです。日中は部屋中走り回っていますが、留守番や寝るときには、このスペースで過ごしています。

南側の温かい窓辺に専用の場所を設けてもらって、ワンちゃんも嬉しいでしょうね!ペットを室内で飼うことを予定されている方は、メンテナンスのしやすい材質を使うことを相談されるとよさそうです。


キッチンはタイルの貼り方にもこだわって

造作したキッチン背面収納は特にこだわりました。イメージ通りのタイルに巡り合うまで、カタログやインターネットなど随分探しました。貼り方でもイメージは変わるので、打ち合わせをする時間が取れないときもメールで画像をやりとりするなどして慎重に決めました。可動棚に入れている取っ手付きの引出しは、埃を気にせず食器を収納できるように自分で作ったんですよ!

木の表情とおしゃれな取っ手が印象的なキッチン本体は、通常のシステムキッチンを元に工務店が木の板を張り付けてくれたそう。決して無駄に高額にならないように工夫されたキッチンは、すばらしい完成度です。


壁一面本棚のスタディコーナーを

私も主人も漫画が大好きでたくさん持ってますし、同居する両親も全集をたくさん持っているので、2階の廊下に壁一面の本棚を作ってもらいました。子ども部屋も広くはないので、机は置かず、いずれはここで勉強するようにと広いカウンターもお願いしました。部屋に籠っちゃうと何してるか分からないですしね(笑)。一緒にパソコンもできるようにと、プリンターの置き場も確保してあるんですよ。

並んで勉強やパソコンができるスペースがあると、お子様が思春期になっても、家族が自然と一緒に過ごす時間を確保できそうですね。素敵な照明と壁一面の本棚。カフェ併設のお洒落な本屋さんを連想させる空間です。


室内窓はインテリアの要

室内窓や腰壁がインテリアとして好みだとお話をしていたら、玄関とリビングを隔てる壁に、ガラスを入れるという提案をしてくださり、あまりにも趣味にぴったりだったので驚きました。玄関は北側で暗いので、南側の掃き出し窓からの光をこのガラスを通して玄関まで届けるという意図もあるんです。一部は回転窓になっているので、風通しもいいんです。ここは、工務店さんこだわりのポイントですね。

デザインガラスの入った壁が、もし普通の壁だったら…?リビングのイメージは全く異なっていたでしょうね。インテリアとして馴染んでいますが、実はとても大胆なデザインだと感じました。


Uchimise Photo 


レポート後記

kage 渋くてかっこいいのに、無垢の床と漆喰の壁で温かみも兼ね備えたインテリアは、小さなお子様と愛犬と暮らすご夫妻にぴったり。ご自身のこだわりや工務店さんからの数々の提案のことを、目をきらきらさせて話す奥様の様子から、本当に家づくりを楽しまれたことが伺えます。インテリアだけでなく、動線や収納など暮らしやすさに関わる部分も考えつくされた家で、私自身、始終うっとりしながらの取材でした。

レポーター:kage