くぐつのいおり(鹿沼市)No.0112
岩出工務店
囲炉裏のある懐かしい家
おうちデータ
- くぐつのいおり(鹿沼市)
- 築年数…2ヶ月
- 延床面積…30坪
- 好きなインテリアは?
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純日本家屋、といった構えの家が大好きです。茶室の落ち着いた雰囲気だったり、古民家のかやぶきだったり囲炉裏ばただったり、そういった日本の建築を見ると、いいなって思います。ヨーロッパの建築はなんだか冷たい感じがするけれど、日本の建築って温かみがありますよね。子どものころに住んでいた家はいわゆる昭和の日本家屋で、その影響もあるのかもしれません。
- 好きな雑貨屋さん・家具屋さん
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古道具や骨とう品のお店が好きで、地方に行ったときなど、見つけるとふらりと立ち寄ることが多いですね。神社やお寺の境内で時々行われる骨董市にも足を運んだりします。
- 参考にした雑誌
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雑誌などはこれと言うものは特にないのですが、茶室のしつらえをいろいろ調べて参考にさせてもらいました。
- 家を持つきっかけは?
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『囲炉裏を囲んでみんなで語らう』っていうのがやりたくて。昔話に出てくるような、かやぶきの大きな家で、囲炉裏があって、火が燃えていて、その火を気の置けない仲間で囲んでワイワイ楽しんだり、またはしっとりとした時間を過ごすのが昔から憧れだったんです。家を建てるならそんな家がいいな、と思っていたのを、満を持して実現した、という感じですね。
- 購入を考え始めたのは誰?
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以前からそういった家に二人とも憧れていたので、どちらが先に考え始めた、ということはありません。二人でずっと思っていた理想の家を建てるための、ちょうどいいタイミングが来たのだと思います。
- なぜ、その施工会社に決めたのか?
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実は、最初に鹿沼に越してきたときに住んでいたのが、一緒の組内の地域だったんですよ。子どもたちも同い年で、とっても仲良くしていただいて一緒に大きくなりました。私たちは人形劇のアトリエを主宰しているのですが、その稽古場兼劇場もこちらにお願いして建てていただいたんです。本当に素敵な劇場なんですよ!気心の知れた間柄で私たちのこともよく分かってくださっているので、今回の自宅もぜひ、とお願いしました。
- お気に入りの場所は?
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天窓のある小さなスペースなのですが、ここが一番のお気に入りです。ここで寝っ転がって夜星を見たり、月灯りを楽しんだりする予定です。また、今座卓の置いてある場所に、ゆくゆくは囲炉裏ができる予定なんですよ。無垢の木の灰を集めていただいたり、自在かぎを探したり、と今まさに制作中なんです。寒くなるまでにはなんとか完成するかと…。出来上がりを楽しみにしているところです。
- もう1度家を建てるならどんな家にしますか?
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まだ少しずつ荷物を移動している最中で、本当に少ししか住んでいないんですよ。なので、もう一度家を建てるなら、なんていうのはまだまだ思い描けないですね(笑)。もう少し住んだら何かしら思い浮かぶところはあるのかもしれませんが…。今はまさに理想の家ができて、大満足しているところです。
- これから家を建てる人へのメッセージは?
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広すぎず狭すぎず、という家を建てるのが一番だと思います。特に広すぎる家は夜はさびしいし、掃除が大変だし、いろいろ行き届かないところが出てきます。減築するのも相続するのもかなりのお金がかかりますので、先のことも考えて家の広さを決めるのをお勧めしますね。また、地域に密着した工務店さんなら、材料もしっかりしたもの、土地のものを選んで使ってくれます。長く使えるいい家を建てていただけると思いますよ。
二重の扉で内外を仕切る
入り口の軒を深くして、玄関を二重にしてあります。外と中の世界を仕切る空間があることで、そこで身だしなみを整えて出かけたり、雨の日に帰って来た時に濡れた上着を脱いだりと、様々な用途に活用できてとっても便利ですよ。深い軒は、雨の日に傘をさしたり畳んだりするときなどに重宝しています。
廊下一面の本棚
廊下一面に本棚を作ってもらいました。これがあるおかげで、持っている本をすべて収納することができました!一番左にはレコードとプレーヤーも入っているんですよ。引っ越しが完了して落ち着いたら、囲炉裏を囲んで美味しいものを食べながら、ゆっくりレコードを聞きたいですね。
廊下一面の本棚、壮観ですね!図書室のようで、本を選ぶのが楽しくなりますね。この本棚に入るだけ、と本の分量を決めておいて一冊買ったら一冊減らす、とするように決めておけば、本がやたら増えてしまう、ということもなくなりますよ。
部屋の雰囲気に合わせて照明選び
ライトは家に合わせてクラシカルなものを、と施工会社さんにお任せして選んでいただいたモノです。廊下にはアンティークな形状の乳白色のライト、和室は丸いペンダント形の和紙照明で雰囲気作りに一役買っています。それ以外はダウンライトをつけていただきました。
周りの雰囲気に合わせた照明が効果的に使われていて、とても素敵ですね。それ以外はダウンライトでポイントの照明を邪魔せず部屋全体を明るくしています。
深い軒も一長一短
寝室に広いベランダが付いているのですが、ベランダの軒を深くし過ぎてしまったんですよ。ベランダをしっかり覆ってくれて、雨がかからないのはいいのですが、晴れていてもあんまり太陽光が入ってこないんです。せっかく南向きなのに、部屋の中の日当たりが悪くて残念…。日差しの角度をもっと考えるべきでしたね。
確かにちょっと光が入りづらそうなベランダですね。でも、夏は涼しくて良いかもしれませんよ!冬になれば太陽の位置が下がるので、もう少し光が差し込んでくると思います。洗濯物を干すのも、天候に左右されなくてよさそうです。
木の雨戸は開け閉めが大変
一階の吐き出し窓には、昔ながらの木の雨戸をつけていただいて、すごく雰囲気がいいんですよ。ただ、付けてみてわかったのですが、木の雨戸って、しまうのがすごく大変なんですね!そういう家に住んだ経験がなかったので、開け閉めのし易さについては全く考えが及びませんでした。実際に使ってみないと分からないことってたくさんありますね。
木の雨戸はアルミの雨戸と違い、見た目よりとても重いんですよね。最初にしっかり奥まで入れてあげるのがコツですよ。上の方を押すのではなく、下の方を押すと楽に奥まで入ります。慣れればちゃんと閉められますよ!
機能はシンプルイズベスト
玄関を入って右側がキッチンとお風呂場、左側がリビングと和室となっています。右側はプライベートなスペースなので、キッチンには余計な機能は付けずにシンプルな作りで、とお願いしました。その結果、とてもコンパクトで使いやすいキッチンになったと思います。洗面所、お風呂も施工会社さんにおすすめしていただいたものを使っています。
その割り切りが潔いですね。でもそのおかげか、少ない移動距離で全てが賄える、コンパクトなキッチンになっていて使いやすそうです!洗面所とお風呂場は薄いピンク色で統一され、一体感が出ていてよいですね。
二階はプライベート空間と割り切って
二階は寝室です。ここもわたしたちしか入らないので、サッシはアルミサッシ、天井ははめ込み式の材料を使ってコストを下げています。
二階は寝室の一部屋だけ。ある意味とてもぜいたくな作りではないでしょうか。押し入れ以外に施工会社さんが物入れを作ってくれていて、収納力も十分ですね。
井戸水利用で光熱費ダウン
この家の水は、全て井戸水を使っているんですよ。家を建てる前に井戸を掘り、一通り検査を行ったところ、使用するのに全く問題ないという結果となりました。水量も十分あって、とても助かっています。夏は体験教室に来た子どもたちが水遊びをしたりと、楽しいスペースになっています。
この井戸のポンプ、がちゃぽんっていうそうですよ。子どもたちは水遊び、大喜びでしょうね!鹿沼は森が多いので、美味しいお水が飲めそうです。暑くなったらスイカやトマトを井戸水で冷やして食べたいですね。
自然素材の贅沢空間
見ての通り、木をはじめとした自然素材をふんだんに使ってもらいました。特に一階部分は、床板はひのき、天井は杉の板を使って昔ながらの作りで作られており、壁は漆喰を全面に縫っていただいています。奥の廊下の二面分、私たち夫婦で一面ずつ塗らせてもらいましたがこれが難しい!職人さんは本当にすごいですね。
ヒノキの床は温かみがあって香りがよく、とても気持ちがいいですね。天井の杉板も幅広のモノが使われていたりと、さすが木材資源の豊富な土地だなあと感じました。漆喰体験、とてもよい記念になりましたね!
こだわりの建具は地元の職人の技
建具は障子やふすま、板戸や硝子戸を使い、地元鹿沼の建具屋さんに全て作っていただいたんですよ。アルミサッシのほうがもちろん安いけれど、ここは昔ながらの建具こだわりました。硝子戸、最初はガラスのない状態のモノが来たのですが、いつの間にかガラスが入っていました…どうやって入れたんでしょうね?不思議でなりません。
新築で職人さんの作った木の硝子戸や雨戸を使っているお宅を見たのは初めてだったので、興味しんしんで見せていただきました。木の雨戸、本当にかっこいいですね!憧れます。
回廊廊下は子どもたちの遊び場
廊下はリビングと和室をぐるりと廻る作りになっています。これ、私がイメージ図を書いて渡したものを、施工会社さんが形にしてくれました。子どもたちが遊びに来たときに、ぐるりと一周走れる廊下があったら楽しいだろうと思って。イメージ通りの廊下ができて、大満足です。
子どもはぐるぐる走るのが大好きですから、絶対喜ぶと思います!わたしが子どもだったら、絶対グルグルしただろうなあ。こんなところで遊べる子どもたちがうらやましいですね。
教育も兼ねた和式トイレ
トイレは二つ。ひとつは広々とした洋式トイレと男性用トイレです。今後足腰が弱くなっても使えるよう、将来を見据えて手すりを付けてあります。もうひとつ、和式トイレを付けたんですよ。便座のところが一段高くなっている汽車便と呼ばれる形にしました。今の子どもたちの中には、和式のトイレを観たことがない子や使い方が分からない子がいるんですよ。ここでぜひ体験して、使い方を学んでほしいですね。
汽車便、初めて聞きました!和式トイレが減っている今、しゃがんだポーズが取れない子どもも増えているそうですね。逆向きに座ってしまったりすることのないように、ぜひ体験させてあげてください!
Uchimise Photo
こんなに木をたくさん使っている新築は初めてでした!雨戸も硝子戸も木でできた建具、天井も押し入れの壁すらも木でできていてびっくり。でも、よく考えたら昔の家はみんなこうだったんですよね…。帰り際にはとっぷり日が暮れて、すだれのかかった硝子戸のむこうから灯りが洩れるのが見え、まるで昔話の1ページのようでした。囲炉裏が完成して火を入れたところ、ぜひ見てみたいですね。
レポーター:カリカナリホ
雪深い地方でよく見かける二重の玄関、もちろん断熱の意味でもいいですよね。防犯面でも優れていたりするようです。スペースはそれなりに必要になりますが、いろいろメリットのある設備ではないでしょうか。