Eさんち(真岡市)No.0116
COMODO建築工房

くの字の平屋 見学可能.png

おうちデータ

  • Eさんち(真岡市)
  • 築年数…5年
  • 延床面積…26.6坪
好きなインテリアは? 

キッチンウェアを探すのは好きですね。今や、あらためて雑貨店を覗くことよりも、出先や旅先等で出逢ったものの方に心が惹かれます。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん

荒川家具 、アレッダ 、もえぎ 、アミング、コピスガーデン

参考にした雑誌

家づくりそのもので参考にしたわけではないのですが、常々好んで「住む」や「チルチンびと」を読み、そんな暮らしを憧れとしていました。

家を持つきっかけは?

私も主人も定年が近づいてきて、老後快適に楽しく住まえる家が欲しいな、という思いが強くなってきたんです。それに加えて息子が建築士をしていたので、いつか息子が設計した家に住みたいと思っていたという理由もありますね。今さら全く知らない土地に住むのにも抵抗があったので、それまで暮らしていた近所で土地を探し出したのが直接的なきっかけでしょうか。

購入を考え始めたのは誰?

私も主人も同じような思いでしたが、積極的だったのはどちらかというと私かな。

なぜ、その施工会社に決めたのか?

息子に設計してほしかったので、それ以外の選択肢はなかったですね。ただ、息子が得意とするのが小さな平屋で、老後に住まうのにとてもよさそうだったという理由もあります。彼が私が望んでいる家からほど遠いタイプの家の設計を得意としていたら…頼んだかどうかわかりませんけどね。

お気に入りの場所は?

キッチンですね。この作業台の下につくってもらった食器棚…かわいいでしょ?レトロな波打ってるガラスなんですよ。それに子どもや孫たちが大勢集まっても、わいわい一緒に支度や後片付けできるようなキッチンにしてもらったから、快適だし楽しいの。ただ食事をつくる場所というよりは、みんなでその時間を楽しめる空間という感じかしら。

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

家に無駄な空間は必要ない、という設計の方針に共感して、そのような家にしました。それは正解だったと思うし全く後悔はしていないのですが、あえて言うなら、普段何も使っていない、ごろーんと寝転ぶことができる畳の部屋があるような家もちょっといいかもな、なんて思いますね。

これから家を建てる人へのメッセージは?

自分の動線をよく考えて図面をチェックするのは必要なことですね。例えば私は背伸びして上の方のモノを取るのは嫌なので、高いところに棚は作らなかったんです。面倒かもしれないけど、妥協せず自分に合った暮らしやすい家を追及するのは大切だと思います。

ウチミセレポート

大きなシンク台は色々な使い方ができて◎

私が料理好きということもあり、キッチンはリビングに溶け込んだような設計にしてもらいました。タモの集成材で作られたシンク台は1.8m×1.8mもあるんですよ。娘・息子夫妻が孫たちを連れて集まると20人近い人が食事をすることになります。これだけ広いシンク台があるとみんなどこかしらで食べられるし、準備や片付けもスムーズ。主人がそばを打ったりもします。パソコンを置いて普段は書斎のように使っていますね。

その時々によって使い方が変わるシンクと一体型の美しいテーブル。キッチンとリビングがなだらかにつながっている印象です。ハレとケ、どちらにも対応できるスマートな空間の作り方ですね!


坪庭を眺められる贅沢な浴室

お風呂は広くしてゆったりと楽しめるものにしてほしい、というのは私たちの希望でした。椹(さわら)の羽目板の壁、足裏がひやっとしないコルクタイル、浴室の照明と連動させた坪庭のライトアップ…温泉宿のお風呂のようでとっても気に入っています。毎日このお風呂に入れるなんて贅沢ですよね。

ぱっと見は黒い陶器のタイル?でも実際に触ってみると全然冷たくない!壁の板と坪庭の緑に、この温かい色味の黒の床…どう見ても高級旅館の貸切風呂です。お風呂まで入って帰られるお客様、多いのでは?


庭を堪能できる縁側は最高!

この広い縁側は、とっても気に入っているんです。夏の夜に主人と二人ここに腰かけて、炭火焼きをしながら庭を眺めてお酒を飲む時間は、最高にステキなひと時ですね。私はガーデニングが趣味なもので、主人にこの木はいいでしょうとか、この花かわいいでしょうとか自画自賛しています(笑)

縁側のある平屋に住みたい…取材をしていると「もう一度家を建てるなら?」の質問にとても多い回答です。まさにそれを実現されたご夫妻。仲睦まじそうなご夫妻は、その縁側の使い方も粋ですね。



失敗ポイント

コンセントの位置、よく考えたつもりだったけど…

コンセントの位置はお願いして色々と増やしてもらいました。でも一か所失敗したなぁと思うところが、キッチンにあるコンセント。これを使っているときは、すぐ近くの引出し、開けられないんです…。これは暮らし始めてみるまで気づきませんでしたね。

確かにこれは、プラグを差した状態でないと気づかない!図面や引っ越す前のチェックでは気づきにくい、引っ越してから気づくこと、あるんですね…。コンセントと収納扉や建具との干渉、要チェックです!


レンジの置き場、もうちょっと考えればよかった

アイランドキッチンで、リビングから丸見えなので、調理器具の置き方も最初から考慮して設計してもらいました。炊飯器は目立ちにくい場所に専用のスライド板をつけてもらったのですが…失敗ポイントを探したときに、レンジの場所ももう少し目立たない場所でよかったのかもなぁと思いますね。

私は全く気になりませんでしたが…美しいキッチンを追求すると、気になる部分かもしれませんね。アイランドキッチンはカウンター上のものが丸見えなので、実際に置く家電類のシミュレーション、欠かせませんね!


コストダウンポイント

無理なコストダウンは禁物!

建物は予算を伝えてその中で計画してもらったので、こちらではコストコントロールはしていません。一つだけコストダウンを狙って外構屋さんにお願いしたのは、土と砂利の境目を、安い木の板にしてもらったということ。その結果…その木が腐ってしまって、結局自分でプラスティック板で仕切ることになってしまったので、コストダウンのために質を落とすもんじゃないな…と反省しています。

「コストダウン、ないな…ないな…、あ!あったよ!」とご主人が教えてくださったこのポイント。予算の総額を伝えてあとはお任せされたそうで、この箇所も笑いながらの後悔話としてのコストダウンポイントでした。


こだわりポイント

庭づくりを前提とした建物のプラン

この家は傾斜地にあり、道路を見下ろすような感じで大きく窓をとっています。道路から丸見えでは?と心配されるんですが、植栽で視線を遮るように設計されているので、意外と見えないんです。最初から植えたい木のリストをお渡しして、設計してもらいました。家の中からは緑と街並みの風景を楽しむことができて、外からはその植栽のおかげで中が見えづらい、まさに庭ありきの家ですね。

ぱっと外観を見たとき、道路に面して大きな窓ガラス!と驚いたのですが、確かに中の様子までは見えず…植栽でゆるやかに視線を遮っているので、閉塞感のようなものを全く感じず外に開けた家になっているのですね。


瓦屋根と石積みで、周りに溶け込む住まいに

この周辺は古い家が多く、落ち着いた街並みで、そこが気に入ったところでもありました。前々から屋根は瓦にしたいという思いもあったので、日本古来の瓦を使ったり、高低差を利用して石積みをしたり…植栽も含めて周りの環境に足並みを揃える、ということを強く意識しました。あまりに馴染んでいるので、「え?まだ経って5年なの?」と驚かれることもあります(笑)

石積みの間の植物、壁の色、瓦の風合い…確かに5年前にはただの畑だったなんて信じられません。自分たちだけが満足すればよい、というような奇抜な建築ではなく、周りに馴染みながらも目立つ!稀有ですね。


こだわりの食器棚

キッチン本体に、造作で食器棚を付けてもらったんです。このガラス、少し波打っているのが分かりますか?ちょっとレトロな感じが私好みなんです。キッチンウェアを集めるのも好きなので、お気に入りの食器棚を設えてもらえてとても満足しています。

お持ちの食器やその収納の仕方がとてもセンスよく、「魅せる食器棚」がとてもふさわしいお宅だと感じました。レトロなガラスに木の格子、その下に深型の引出しもあって、料理好きな奥様も大満足の造作食器棚でした。


Uchimise Photo 


レポート後記

kage 外観を拝見したとき、手を掛けられた植栽の様子からこれは素敵な奥様が住まわれているに違いない…と感じましたが、にこやかに玄関ドアを開けてくださった奥様は本当に素敵な方でした。取材当日も、そばを打つご主人、天ぷらを揚げる奥様、その様子が広々としたキッチンによく馴染んでいて、この方たちのために作られた家なのだなぁと感動すら覚えるほど。建築士さんが言った「建築は愛だ」という言葉…妙に納得するおうちでした。

レポーター:kage

こちらのお宅は、 見学可能.png です

案件番号 No.0116 Eさんち(真岡市)
「くの字の平屋」