きなこんち(宇都宮市)No.0144
ナチュラルクラフトホーム
木の温もりあふれる幸せ家族の家
おうちデータ
- きなこんち(宇都宮市)
- 築年数…2ヶ月
- 延床面積…35坪
- 好きなインテリアは?
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ナチュラルな感じのするインテリアが元々好きだったんです。私はナチュラルな中にアイアンを使ったようなものが好き、妻はPOPな感じのインテリアが好きでした。二人に共通するのが木を使ったものや空間は好きという点だったので、家は無垢の木をふんだんに使ったものにしようというのに意見の相違はありませんでした。
- 好きな雑貨屋さん・家具屋さん
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MOMO NATURAL・BICASA
- 参考にした雑誌
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MOMO NATURALのカタログ。あとはインテリアをネットで検索してイメージを固めていきました。
- 家を持つきっかけは?
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妻に押し切られた感じですね(笑)。元々夫婦共にインテリアに興味があって、でも賃貸だとできることに限界があるなと感じていたんです。そこに仕事の転機やアパートの更新時期、ローンを考えると年齢的にもそろそろ…というのが重なって、家を持つことを考えはじめました。
- 購入を考え始めたのは誰?
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圧をかけてきたのは妻ですね(笑)。最初は中古や建売の家も探していたのですが、工務店の現場監督をしている義理の兄から「だったらいい家を建ててやるよ」と言ってもらい、マイホームを新築するということを本格的に検討しはじめました。
- なぜ、その施工会社に決めたのか?
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元々、その会社の現場監督をしている義理の兄の自宅をとてもいい家だと思っていたんです。それでモデルハウスを見に行ったら、吹き抜けの感じ、木をふんだんに使っている感じがすごくよかったんですよね。他のメーカーの展示場もいくつか見ましたが、正直どこも同じような印象しか受けなくて…。工務店の方もとてもいい感じでした。要望を聞いてくれるけど、オススメしないことははっきりそう言ってくれて。ありがたかったですね。
- お気に入りの場所は?
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リビングの吹き抜けはとても気に入っています。明るいし、ソファに座っていると何とも言えない幸せを感じます(ご主人)。2階のトイレ・洗面は、一目惚れしたタイルを貼ってもらったりクロスのカラーにこだわったりして、最高にお気に入りの空間になりました。(奥様)
- もう1度家を建てるならどんな家にしますか?
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平屋ですね。L字型の縁側と中庭がある、ゆったりとした家に憧れますね(ご主人)。今回は諦めたのですが、ひろーいベランダ、憧れますね。お布団や洗濯物をたくさん干したい!資金がたまったら、ウッドデッキをつける予定なので、そうすればその夢は叶うのかな。(奥様)
- これから家を建てる人へのメッセージは?
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家を持つならぜひ注文住宅で、とお勧めしたいですね。ああじゃないこうじゃないと設計段階からやりとりしたことが、とても楽しかったと印象に残っているんです。あと、木を使った家もお勧めですね。温かい空気感で家の雰囲気がとてもよくなりますよ。
吹き抜けは最高!
吹き抜けはいいですね。明るいし、朝寝室から出てきてリビングを見下ろすとき、何とも言えない幸せな気分になるんです。キッチンからご飯できたよーの声も吹き抜けを通して個室まで届きますしね。床面積が減ってしまうからもったいないという人もいるけれど、吹き抜けはとってもいいとお勧めしたいですね。
広い階段はとってもいい!
モデルハウスで「この階段いい!」と思って、収納が減ってもいいから、ぜひこの階段をとリクエストしたんです。ちょっと腰かける場所にもなるし、クリスマスツリーとか季節飾りはここに飾ろうと思っているんです。材木屋さんからサービスでいただいた板をここに貼ってもらったから、絶好の飾り場になったと思ってるんです。しばらくしたら洗濯物が置かれるぞ…なんて夫は言うけど、そうならないように頑張ります(笑)
階段下は収納にしても、低くて深くて使いづらかったりする場合が多いので、思い切って階段を広くとるというアイデアはとてもいいですね!空間が豊かになる設計とはこういうことなのかなと感じました。
テレビスペースは最初から確保!
テレビって一度場所を決めたらそう動かすものでもないじゃないですか。工務店さんの勧めで壁を凹ませてテレビスペースを作ってもらいました。テレビ台に足をぶつけるなんていうこともなくなったし(笑)いいですよ。凹んだところに貼ってもらった木は、大工さんが余ったから貼ってやるよって床材を貼ってくれたんです。丁寧にデッキスペースまで貼ってくれていて驚きましたね。
床、天井、リビングドアと、同じパイン材が使われていることで、リビングの空間に一体感が増しているように感じました。インテリアを邪魔しがちな大型テレビも、素敵な居場所を作ってあげれば部屋に馴染むんですね。
キッチン前壁を高めにして空間を区切る
キッチンを常に綺麗に保つというのは大変そうだから、前壁を高めにして手元が隠れるようにしました。キッチン内はリビング側から見えないので、床も私が好きなPOPな柄のクッションフロアにしたらどうかと夫が選んでくれました。キッチンのオレンジ色と相まって、リビング側のナチュラルな雰囲気とは全然違うインテリアになりそれもまた気に入っています。
奥様はPOPでかわいい感じが、ご主人は少しインダストリアルな感じがお好き、という趣味の違いを、うまく空間で区切って取り入れてらっしゃいました。木がベースになっているから空間がまとまっているんですね。
スクエアタイプの湯船は失敗…
賃貸アパートのお風呂が狭くて、ゆったりとした湯船がいいと、たっぷりお湯が入るものを選んだけれど…お風呂が沸くのに時間がかかるし、湯量がたっぷりということはエコでもないし、掃除も大変。後悔しています…。
湯船を決めるときに、実際お湯を沸かして入るわけにもいきませんから、なかなか想像がしづらい部分でしたね。賃貸アパートでの不満を解消しようと設備をよくしすぎると、その分のデメリットがあるんですね。
使わない照明がたくさん…
リビングの吹き抜け周りには、ダイニング側にバータイプのもの、階段側にスポットライト、テレビ上にブラケットと、種類を変えてたくさんつけましたが、実際使っているのはバータイプのもののみ、それで十分明るいんですよね。キッチン前のペンダントライトも、ダインライトで十分なのでほとんど使っていません。スイッチを分けるとわざわざつけないというのもあるんでしょうね。
照明計画も、実際に暮らしてみないと明るさが体感できないという意味で難しいところですね。ライティングレールだけ取り付けておいて、住んでみてから照明を足して明るさを補うという方法も聞いたことがあります。
ついつい壁にさわっちゃう…
玄関の上り框で靴を脱いであがるとき、どうしても持ちやすいところに壁があるから触っちゃうんですよね。それで壁が汚れるのがイヤで、息子にも「だめー!」って言っちゃうんです。アイアンの手すりでもあればそれに掴まるからいいのかな、なんて思っています。
確かに…我が家も玄関の壁には子どもたちの帰ってすぐの汚れた手の跡がたくさんついています(笑)。汚れそうなところにはあらかじめ汚れの目立ちにくい手すりを…家をきれいに保つにはとてもいい対策ですね。
コンセント、多めにしておけば…
コンセントの数と位置はちょっと後悔していますね。というのは息子の部屋に家具を配置してみたら、コンセントが隠れてしまって、延長コードだらけになってしまったんです。後悔が多いと聞きますが、やはりうちもちょっと失敗だったなぁと思いますね。
設計の段階で、家具の細かな配置や使う電化製品までなかなか考えが及びませんよね。部屋に置く電化製品もどんどん増えてきているように感じる時代なので、コンセントは多めの方が安心なのかもしれませんね。
建具はメリハリ!
建具はコストに大きく影響してくるので、例えばウォークインクローゼットなどのプライベートな部分の建具は省くなどしてコストダウンしました。あとはリビングの目立つ建具は無垢のデザイン性のあるものを使い、その他の収納の扉はお手頃なものにするなど、コストの掛け方にメリハリをつけました。
確かに、ウォークインクローゼットには建具がなくても不自由ありませんね。開け閉めが面倒で扉は開けっ放しというのも聞くことがありますし、この建具なくてもいいかも?という目で見てみるとよさそうですね。
和室の漆喰壁は自分で塗る!
お酒を飲む場として作った和室は、漆喰の壁にしたい!という希望があったのですが、コストがネックで…。下塗りだけしてもらって、あとは自分で塗りました。ほぼ一日がかりで大変でしたが、職人さんには出せない味が出てるよなんて言ってもらって、満足な仕上がりですね。
コストがかかるからと漆喰壁をあきらめてしまうのではなく、一部屋だけでも、自分で塗っても、と思って希望を叶えながらつくりあげる家は思い出がいっぱいの宝物になりますね。少しむらがある漆喰壁、素敵です!
廃材を使って上質インテリアに!
お願いした工務店さんは、他の現場で余った材料を使って我が家に一工夫をしてくれました。洗面台のエコカラット、ダイニングテーブル、コタツ机…どれも味があるし、我が家にぴったりのサイズで設えてくれて、本当に感謝しています。
余った材料はそのお宅にとっては不要でも、別の現場では活かすことができるものなんですね。こちらのお宅で余った材料も、他の現場で活かされるのでしょうし…そうやって材料が巡るってすごくいいことですね!
リビングから見える?見えない?で材料の使い分け
1階は床や天井にはパインの無垢材を使いました。2階も吹き抜けを通して見えるところまでは、例えば吹き抜け上の手すりには松の無垢材を使うなどして、木の存在感を大切にしました。その代り2階の床は合板フローリングですね。これもメリハリをつけてコストを抑えました。
床材や壁材、建具も、「メリハリ」を意識されたおうちだと感じました。予算内で満足した家にするには、まんべんなくお金をかけるよりも、メリハリをつけた方がよいということがよく分かります。
軒を出したキュービックな外観
私自身、家はできるだけシンプルな四角いかたちがいいという希望があったんです。でも工務店さん側は、日本の梅雨があったり台風があったりする気候では絶対に軒が出ていている方がいいという考えでした。その真ん中をとった外観になりました。普通軒って60㎝くらいですが、うちは2階の軒が1.4mほどあります。特別な補強が必要だったそうです。それだけ出ているから、1階の掃き出し窓を開けていても雨は入ってこないんですよ。
おしゃれな印象が強い外観ですが、実はとても理にかなったデザインだったのですね。お客様のご希望と、工務店さんの信念、どちらも曲げずにデザインされたというのは素晴らしい設計力ですね。
こだわりの「飲み部屋」
私の実家が酒屋というのもあり、飲む機会が多いので、玄関のすぐ横に飲み部屋兼くつろぎ部屋をつくりました。和のイメージにしたかったので天井は井桁(いげた)組み、壁は漆喰を自分で塗って、掘りゴタツもつけてもらいました。。でも和によりすぎないように、窓は横長の今風な感じのものにしたんですよ。ここで人を呼んで飲むのは外で飲むよりずっといいですね!
扉で仕切るのではなく、テレビ壁で大らかに区切られた空間であるこの「飲み部屋」。リビングにいる家族にも気兼ねせず、かといって籠るわけでもなく飲めるので、とてもいい距離感で家飲みができますね。
エアコン1台で家中快適な温度に
断熱材はセルロースを使っています。色んな現場を知っている大工さんも「セルロースを使った現場にくると夏場ひんやりして違うのがわかるねぇ」と言うほどの優れた断熱材なんだそうです。まだ冬は経験していないのですが、暑い日もエアコンをつけなくても快適に過ごせています。エアコンは吹き抜けの上にメインのものが一台。シーリングファンで吹き抜けを通って1階まで暖気冷気が下りてくる設計になっています。
断熱材は目に見えないけれど、後からは変えられないところ…セルロースは値は張るそうですが、それだけ確かな性能があるようです。快適な家にするために、断熱材の質と設計技術、両方が必要なのですね。
こだわりのトイレ&手洗いのインテリア
私がこのタイルに一目惚れしちゃって、他のタイルに比べてずいぶん高かったんですけど、どうしても使いたくなったんです。このタイルのイメージに合わせて、トイレのクロスも選んだりコーディネートしていきました。予算オーバーで職人さんに貼ってもらう工賃もタイルの金額に回してしまったので…無理言って兄に貼ってもらいました(笑)
一口にタイルと言っても、値段も質もピンキリだそう。でもそれだけ惚れ込んだ素材でつくりあげたお気に入りの空間が家の中にひとつあると、家に感じる愛情も変わってきますよね!
Uchimise Photo
住宅性能もインテリアも間取りも、すべてにこだわった想いのこもった家でした。奥様がこんなことをおっしゃったのが印象的でした。「賃貸アパートでは部屋に籠っていた中学生の息子も、この家だとリビングに下りてきて映画とか一緒に観るようになったんです。家が変わると行動も変わるんですね」。家を持つことの幸せを噛みしめてらっしゃる様子を目の当たりにし、家には本当に大きな力があるのだと感じずにはいられない取材でした。
レポーター:kage
家全体の気温差をなくすという性能上の理由でも工務店さんからお勧めされたという吹き抜け。住んでみると家全体の一体感や見下ろせる感じ…「幸せ」を感じる空間だと感じられているようです。