風の家(宇都宮市)No.0106
西村製材所

風と共に季節を楽しむ家 見学可能.png

おうちデータ

  • 風の家(宇都宮市)
  • 築年数…6年6ヶ月
  • 延床面積…42.56坪
好きなインテリアは?  

この家を建てるときに、欲しい家具は全て造作してもらいました。家のイメージにピッタリの物がよかったので。それでも何点かは購入しました。特にいつも決まったメーカーや揃えているシリーズみたいな物はないけれど、この家のイメージに合うように選ぶと、自然と木目調のナチュラルな物が多くなるかな。

好きな雑貨屋さん・家具屋さん

好みや家のイメージに合わせた物を、ネット・店舗問わず探して購入します。

参考にした雑誌

栃木で家を建てる チルチンびと

家を持つきっかけは?

以前はアパートに住んでいたのですが、家賃を払い続けても自分たちの物にはならないと言う考えが主人にも私にもあったので、いつかは建てようと話していました。そろそろかなと思い始めて土地を探し出したのがきっかけです。希望していた条件の土地が、運良く見つかり、そこからはどんどん話が進みました。

購入を考え始めたのは誰?

主人です。私が好みや希望を言って、主人がリサーチをする流れが基本だったかな。土地探しを始めてからそれほど経たないうちに、条件の揃った土地が私の実家近くに見つかりました。化学物質を使いたくないと言うこだわりもあったので、家について色々と考えてくれていました。

なぜ、その施工会社に決めたのか?

主人のこだわりからまずはログハウスを考えたのですが、ネットや図書館を利用して調べているうちに今の工務店さんに辿り着きました。モデルハウスはなかったので、実際に住んでいる方の家で私たちが希望する家に添う物件を見せてもらいました。偶然、土地の所有者の方の家も同じ施工会社さんだったこともあり安心できたからかな。

お気に入りの場所は?

掘りごたつの部屋です。部屋の位置としてはダイニングですが、殆どをここで過ごすので、リビングと言っていいかも。足を下して座りたかったの。そうなると、リビングにはソファかもしれませんが、私たちの場合、結局は床に座ってソファを背もたれにしてしまうね(笑)と意見が一致して、掘りごたつになりました。

もう1度家を建てるならどんな家にしますか?

一年を通して風が上手く抜けるように考えられた窓や、解放感たっぷりの吹き抜けがとても気に入っているので、もう一度建てるときも今と変わらない家がいいです。もちろん、現在の気になっている部分は改善してより良い快適な家にしたいかな。建てるときの自分たちの年齢で、間取りも変わってくるかもしれませんね。歳をとってから建てるなら平屋もいいかな。

これから家を建てる人へのメッセージは?

基本的なことかもしれませんが、持っている家具やこれから入れる物のサイズをキチンと図ることをお勧めします。意外と間口だけ何となく図ってスペースを決めてしまうことがあると思うので、奥行や高さ、設置した時の窓の位置など様々な視点から配置を考えて欲しいです。また、現場へなるべく足を運べると、大工さんと直接その場で相談が出来るので、より理想の家になると思います。

ウチミセレポート

無駄なスペースを省く

主人の「廊下は無駄なスペース」と言う意見に賛成し、必要なスペースは何かを考えました。夫婦揃って花粉症なので、必ず部屋干しになる時期があるのはわかっていましたから、最終的にそのための部屋を確保しました。更に、収納部屋も作ってもらったので衣替えや虫干しの後そのまましまえて動線も良いです。

フラットな部屋に移動可能な収納家具が一つ置かれていたその部屋は、大きな布団も広げられるし、部屋干し用の竿もあるので、花粉の季節だけでなく、梅雨時や急な雨にも対応できそうです。


場所を考えて正解

ウォークインクローゼットの位置を脱衣所の隣にして正解でした。朝仕事に出かける前の身支度は、一通りこのスペースで済ませることができます。朝だけでなく、お風呂上りなどの動線もいいし、住み始めてからその使いやすさを実感しています。衣類が一ヶ所に集めてあるので衣替えも簡単です。

どうしても慌ただしくなる朝の時間を、ストレスなく過ごせることは魅力的なポイントです。取り込んだ洗濯物の収納先も一ヶ所ならば、家中を移動しなくて済みますから、家事の時間短縮になりますね。


自分に合ったスタイルにする

システムキッチンをやめてフリーの収納スペースにしてもらい、シンクも使いやすいサイズや位置を決めて造作の物にしてもらいました。対面式のオープンなキッチンが多いかもしれませんが、私は雑多になっても、お客様の視線を気にせず使いたかったんです。カウンター部分には、目隠しの障子を付けてもらいました。造作の収納は、食器棚が地震で倒れて来ないような工夫もされているんですよ。

造作の収納は、置く物の使い方やサイズがキチンと考えられ、更に必要な時だけ出現する天板などが施されていました。



失敗ポイント

音が気になります

雷を伴う夕立のような豪雨の時は、雨音が響いてテレビの音が聞こえないんです。屋根を二重にするとか、素材などを考えればよかったかもしれません。梁を出した吹き抜けにこだわったので、そちらを優先しましたが、もう少し想定していたらよかったかなと思います。ただ、雨に気付かず洗濯物を濡らしてしまったことはないので、そこはよかったかな(笑)。

二階の足音や、洗濯機・掃除機などの生活音は、気にして対策することもありますが、外からの音は、土地柄も含め住んでみないと判らないこともあるようです。


寒暖の差が想像以上

どの部屋も同じ気温で過ごせる家にしたかったのですが、脱衣所だけは、冬の朝がとても寒くなってしまいます。引き戸を閉めてファンヒーターを使えば、ウォークインクローゼットの方まで、さほど広くはないので直ぐに暖かくはなりますが、南側に天窓を設けて温かい空気を送り込めたら良かったかなと思います。

引き戸を開けたままでは、下からの冷気がリビングの方に流れてしまうそうです。天窓のような部屋上部の小さな窓で、薪ストーブで温められたリビングの空気を、余すところなく使えるとよかったのですね。


西日を考えたときの配置

夏は特に、主人の書斎が暑くなってしまいます(苦笑)。仕事や趣味に使っているので、籠ることも多くて。エアコンを考えたのですが、窓を大きくとったことで、壁の面積に合うサイズのエアコンが見つからず、扇風機を使っています。

西日に温められて、部屋全体が暑くなってしまうそうです。冬の寒い時期は暖房いらずでいいのかもしれませんね。


コストダウンポイント

視点を変えてコストを考える

カーテンではなく障子にしました。家は窓が多いので、カーテンやレールを揃えるだけでも大変なコストになってしまいますからね。気になる視線も主人のアイデアで、雪見障子を逆にすることで解決です。それにカーテンと違って、隙間の無い空気の層ができますから、冬は暖かいんです。

カーテンにした場合と障子では、コストが違ってきますね。外灯などの明かりが気になる窓は、遮光の物を利用して対応しているそうです。


オール電化で設備投資分を節約

ガスの方がお料理の幅も広いし希望だったのですが、建てるときにガス管がここまで届いていなかったんです。元々が田畑だったので当然だと認識していましたが、念のためガス管を引く工事の費用を確認したら、驚くほどの金額でした。ですから早い段階でオール電化を決めました。

無理をしてしまっては、本来かけたい部分に回すことが出来なくなってしまいますから、代替えであるとか、視点を変えた考え方はコストダウンに繋げるために必要なことですね。


必要を満たす分で考える

必要と思われる部屋しか作っていません。先のことを考えて、部屋を増やすこともできるようにしてあります。延床面積で家全体をコストダウンしました。素材や工法にこだわっていましたからね。不自由しないように配慮しつつ、部屋を必要最低限にすることでコストが抑えられたと思います。

後から使い方が変わりそうな所は、想定してコンセントや梁などが施されているそうです。無駄を省くことで不便を感じてしまっては本末転倒ですから、必要を満たすことを中心に間取りなどを考えたいですね。


こだわりポイント

深い軒で天候と付き合う

広めにしてもらったベランダは、アパートの頃に布団干しの際に抱えたまま振り返ったり移動するのが困難だったことを解決してくれています。丁度真下に犬が居るので、日よけにもなっています。夏の強い日差しは避けてあげたいですものね。二階の軒も深くなっているので、少しくらいの雨なら慌てずに洗濯物を取り込めます。

外観も素敵に見せているベランダは、メンテナンスのことが配慮されていて、その部分だけを取り換えることができるそうです。夏の高い位置からの直射日光を遮り、冬の暖かな日差しはより奥へ導く軒は、ぜひ参考にしたいですね。


欲しかったものを実現

吹き抜けと梁を出した天井が理想でした。この間取りだと広すぎて、エアコンが効かないので薪ストーブは必須でした。設置の際に、階段壁の漆喰の白と煙突の黒でデザイン的に楽しんではどうかと大工さんに勧められました。梁や全体的な木目の質感を生かすために、金具や配線も見えないように大工さんが工夫してくれています。

部屋へ通されて直ぐ眼の前に、贅沢に使われた無垢材で囲まれた空間が広がっていました。ひと際大きな引き戸は、いずれ、お母さまと同居したときを想定して、引き戸を開けたままにしても、リビングからの視線が気にならないサイズに考えられたそうです。


東西南北自在に抜けます

風の通り道を考えてもらいました。細かな窓まで丁寧に考えて配置されています。夏の北風は、特に貴重ですから上手く取り込むために工夫してくれています。洗面台の木製部分も、もっとカビてしまったりするかと思っていましたが、全く気にならない程度に維持されています。風が抜けることで、家全体が呼吸をしているかのようなイメージですね。

湿度調節には、窓が対角線上にあるといいと聞いたことが有ります。湿度が高めな日本の気候も、季節ごとに変わる風を自在に取り込めれば、自然のメンテナンスが行われていることになるかもしれませんね。


Uchimise Photo 


レポート後記

けい たくさんの花々やグリーンカーテンに囲まれたお家。笑顔で迎えてくださった先には、木の香りいっぱいの玄関。まさか築六年とは想像できないほど。風が家中を自由に行き交うための窓は、ご夫婦でネーミングされた「風の家」の象徴と言えるかもしれません。贅沢なほどの無垢材に囲まれた解放感たっぷりの空間に、ベランダの干し梅の香りを風が運び入れていました。風と一緒に季節を過ごす素敵なお家でした。

レポーター:けい

こちらのお宅は、 見学可能.png です

案件番号 No.0106 風の家(宇都宮市)
「風と共に季節を楽しむ家」