りゅうちゃん&ひかちゃんち(大田原市)No.0108
那須林産工業
Industrial pop House
おうちデータ
- りゅうちゃん&ひかちゃんち(大田原市)
- 築年数…5ヵ月
- 延床面積…30.25坪
- 好きなインテリアは?
-
ちょっとレトロ、とかアンティークなインテリア好きですね。この家のテーマは“Industrial pop”ちょっと工業的だけど、でもポップ。天然素材のあたたかい感じに少しそういう要素が入っているところが気に入っています。
- 好きな雑貨屋さん・家具屋さん
-
IKEA・nature
- 参考にした雑誌
-
すみごこち・MY HOME+・SUUMO注文住宅栃木で建てる
- 家を持つきっかけは?
-
私たちは東京で入籍したのですが、子どもができたら妻の実家である那須塩原に戻ってきて家を建てたい、というのは結婚する前から2人で決めていたことでした。入籍してから半年で栃木に戻り、子どもが生まれてからも貯金のためにしばらくはアパートで暮らしていたのですが、やはり物音に気を遣ったり、遊ぶ場所と言えば駐車場だったり…のびのびと子育てしたいという思いが強くなり、本格的に家を持つことを検討しはじめました。
- 購入を考え始めたのは誰?
-
2人の合意の元でしたが、主導権を握っていたのは、完全に妻でしたね(笑)。こんなことがしたい、これは大切にしたい、というこだわりは妻の方が強かったので。
- なぜ、その施工会社に決めたのか?
-
自分たちらしい家にするために色々こだわりたかったので、建売ではなく注文住宅にしよう、そして安心できる地元の工務店さんにお願いしたい、というのは前からありましたね。その中で、内装に天然素材を使っているというところ、あとはFP工法で断熱にも優れているという点でこの工務店に決めました。完成見学会だけでなく、構造見学会も開催していたのでこだわりを感じ、「やっぱりここだな」と。
- お気に入りの場所は?
-
ダイニングテーブルからリビング越しに眺める、2階から光が差す玄関土間と階段の眺めが好きなんです。土間は妻のこだわり、私は吹き抜けが希望でした。吹き抜けをどこかにつくりたい、でも2階の床面積も削りたくない…と思っていたところに、オープンな階段にする提案をいただいたんです。できるだけ華奢な階段にするなどの工夫をして、開放感のある空間ができあがり、とても気に入っています。
- もう1度家を建てるならどんな家にしますか?
-
何度も通りかかる場所に、2階の1室がガラス張りの家が建築されていて…ああいう家もとても開放的で、眺めもいいんだろうなぁと憧れますね。
- これから家を建てる人へのメッセージは?
-
少し変わったことをしようとすると、周りからそれはやめた方がいい、などと止められることがあるかもしれませんが、住む自分たちがよければ周りの声は気にしなくていいと思います。この家も、こんなにオープンな収納…と親には心配されましたが、自分たちがきれいに保てばいいことです。あとは夫婦で意見がぶつかったとき、どちらかが折れるのではなく、納得するまで話し合って折衷案を考えるというのもとても大切だと思います。
「見せる」壁付けキッチンでリビングを広々と
最初は料理をしながら子どもの様子も見られるカウンターキッチンもいいなぁと思っていたのですけど、「ダークな色合いでかっこいい見せるキッチンに!」という提案をいただいて、今までも壁付けで特に困ったこともないし、それならば、と今の形になりました。結果リビングを広くとれたし、「見せる」ことを意識して壁のタイルや壁紙の色などを決めたり雑貨を飾ったりして、お気に入りのキッチンになりました。
広い土間は使い勝手抜群!
広い土間がある実家に育ったのもあって、靴を脱がなくても上り框に腰かけてお客様と話せる土間空間というのに憧れを持っていました。そして実際にそうしてもらって正解!近所の子どもたちが集まってここに腰かけておやつを食べたりしています。汚れるのも気にしないでいいんですよ。土間の飛び石を渡って階段に行くという造りも子どもはとても気に入っているようです。楽しい空間になりましたね。
玄関入ってすぐにリビング、という間取りは、高気密高断熱にこだわる工務店さんだからこそなしえるものなのでしょうね。玄関もリビングの一角といった感じで、たくさん人が来てもわいわいとできる様子が目に浮かびます。
壁をつくって、リビングからの眺めをすっきり!
リビングからキッチン方向を見たときに、冷蔵庫や雑多なキッチン小物が目に入ると嫌なので、壁で隠すよう設計してもらいました。冷蔵庫にインテリアシートを貼ろうとしてまだ途中なんですけど(笑)。冷蔵庫の奥には可動棚を作ってもらい、トースターや調理道具、ごみなどを置いています。
玄関から建具や仕切り壁がなく広々としたリビング。すっきりと見えるコツは、「見え方」を念入りに計算したこと。「死角」を上手にプランに取り入れ、モノが配置されているから無理がなく、すっきりだけど暮らしやすそうなんですね!
階段下の空間をディスプレイ収納に!
階段を玄関に持ってくることが決まったとき、「階段下を収納スペースに使いたい!」という思いが強くありました。でも扉を付けるとせっかくの土間が狭苦しくなっちゃうし…。そこで、オープンの可動棚だけをつけてもらい、お店のように靴をディスプレイしながら収納することに。きれいに保つことに意識的になりますし、正解だったと思います。リビングからのここの眺め、好きなんですよ~。
階段下収納と言うと、暗い・深くて使いづらい…というちょっとネガティブな印象がありましたが、こんな風に見せる収納として使えるなんて!部分的に色を変えた壁紙や大きなグリーンの存在も手伝って、本当にショップのようでした。
2階にも手洗い場、欲しかったなぁ
2階には手洗い付のトイレがあるのみ、コストダウンのために削った部分ではあるのですが、やはり石鹸を使って手を洗いたいときなど1階まで下りなければならず…2階にもあったらよかったなぁと思うときがあります。
この失敗ポイント…実は個人的にものすごく共感!我が家も2階に手洗い付のトイレしかなく、不便を感じているのです。ライフスタイルにもよるでしょうが、2階に手洗い場や洗面台があれば、楽に感じることは多いでしょうね。
窓の上に明り取りの窓があったらよかった
洗面所はお気に入りの空間、素材感を楽しみたいとタイワンスギを使って洗面台を大工さんに造作してもらったり、親の家を建てるときにあまったエコカラットを壁に使ってもらったりしたんです。だから、鏡の上部の壁の部分に窓を付けてもらったら、もっと明るい空間になっただろうなぁとちょっと後悔しています。
リビングや2階は昼間ほとんど照明をつけないというくらい明るいこのお宅。確かに北側の洗面所はその他の場所に比べると少し暗い感じでした。明るさは、家が建ってみないと分からない部分。難しいですね…。
階段が急
建てる前から分かっていたことなんですが、階段が急です…。まだ子どもが小さいので、上り下りが心配ですね。後ろ向きに気を付けて下りていくように言い聞かせています。我々も今は大丈夫なんですが、年をとってから辛いかな、と少し心配です。辛くなってきたら、玄関を踊り場にして緩やかなL字の階段にリフォームしてもいいねって話しているんですよ。
階段は家全体の設計に関わってくることですから、もうちょっと緩やかに…と簡単に修正できない部分だったのでしょうね。お気に入りの玄関土間&階段の空間を叶えるために妥協した階段の角度、後悔はしてらっしゃいませんでした。
もうちょっと収納作ってもよかったかな…
モノを増やさず、収納に収まる分だけのモノで暮らそうと心がけてはいるのですが、例えばコンロ背面の棚、L字型につけてもらってもよかったかな…とか、空きスペースを見ると思います。でも、それは自分でも近いことはできますよね。玄関横のスペースに「ディアウォール」を自分で設置して、いつも使うかばんを引っかけるようにしたんですよ。必要に応じてDIYで収納を増やしていくのも楽しいですね。
今話題の壁に穴を開けずに棚などを作ることができる「ディアウォール」。実物を初めて見ました!収納は暮らしてみてから必要な場所や量が分かるのは確か。それを楽しんでDIYされているご様子…おうち時間を満喫されていますね!
建具や扉はできるだけつけない
収納扉や建具は、ひとつ大体4万円くらいするそうなので、必要最低限のところにしか使っていません。建築士さんが提案してくれたウォークインクローゼットは、扉もないし、ロフトの書斎スペースに上がるはしごもないんです!何か所か窪ませてもらったところに手と足を掛けて上るんですよ!コストカットした上に何だかアクロバティックで楽しい空間になりましたね。
建具類ってそんなにお値段するんですね!それにしてもこのウォークインクローゼットはすごい…ロフトに上るはしごって、意外と場所を取るので、コスト面でも、スペース面でも、よく考えられたものだと感心しました。
窓ははめ殺し窓と開閉窓を使い分けて
窓も意外とコストのかかるところ。光をとるための窓か、風を通すための窓かを考えて、前者の窓ははめ殺しにしました。例えば2階のスタディコーナー前の窓。風は階段横の廊下を抜けて、反対側の窓へ抜けるので、階段から遠い方の窓ははめ殺しにしてあります。開けづらい階段上の窓も、開けないものを割り切ってはめ殺しにしてもらいました。できるだけ窓は小さく、なくてもよいものはなくす、というのがコストカットのために気を付けたところです。
窓は光と風を通すもの、と思いこんでいましたが、確かに我が家でも開けていない窓、あります!光用と風用を分けて考えてみると、窓でコストダウンをすることが可能だったんですね。言われてみればもっとも!
造作キッチンは材質にメリハリを
キッチンのカウンターや壁面の収納棚はタイワンスギといういい素材を、カウンター下の収納部分は安価なシナベニヤを黒く塗って使っています。収納部分も引出しや扉を付けずにコストを下げました。同じ木でも、素材感を見せる部分とそうでない部分で材質を使い分けることによって、かなりコストは変わってくると思いますよ。
カウンター下の収納部分の木を黒く塗ることによって、タイワンスギの木目や色の美しさがより引き立っているように感じました。コストカットのために材質を変え、色をプラスすることで、より素敵なインテリアになったいい例ですね。
古材を使った机にニトリのベンチを合わせて
ダイニングテーブルは、工務店さんにお任せで作ってもらいました。すると、ウォルナットの天板に、古材の丸い脚というユニークな机を作ってくれたんです。そこに元々使っていた椅子と、ニトリで似たような雰囲気のベンチを安くゲットできたので、随分とコストカットになりました。
“industrial pop”というこの家のテーマを意識して建築士さんがデザインしたというこのテーブルは、古材とウォルナットという斬新な組み合わせがとても素敵。手持ちの椅子やニトリのベンチも個性的なテーブルと合わせるとよりオシャレに見えますね!
こだわりのスタディコーナー
子ども部屋が広くは取れなさそうなのもあり、テレビで見かけたこのスタディコーナーをつくってもらうことに。家族4人で腰かけても余裕の広さです。掘り込みの足元はすのこ状になっていて下から気配が分かるんですよ。窓の高さにもこだわっていて、座ってちょうど月を見上げられるような高さに。向いに家もあるから低くしすぎず、でも窓の外が見えるように…寝る前に、ここで月を見上げてコーヒーを飲むひととき、幸せです。
子ども部屋の前を通り、主寝室につながる廊下…家族みんなのスタディコーナーにするにはぴったりの場所ですね!今も寝る前にここで絵本を読んであげるのが日課だそう。宿題をするだけでなく、いろんな場面に大活躍の空間ですね。
念願の「パパの懸垂場」
家の中で懸垂をする場所がほしい、というリクエストをしていました。これがかなりの力がかかるらしく、構造的には結構な難題だったそうです。ボルトを通してがっつりつくりました、って建築士さんは言ってました(笑)。階段を上がったところにあるので、夜寝室に向かう前に懸垂をし、朝起きてきたらぶら下がる、というのを日課にしています。
ご主人は「一番上まで懸垂したときに頭を打たない取り付け位置」を現場で大工さんと念入りに打ち合わせされたそうです。ご主人のリクエストを叶えようと、あれこれ工夫を凝らす工務店のみなさんの人柄の良さが伝わるエピソードですね。
子どもの成長を刻む柱を!
自分の家を持つなら、子どもの身長を毎年刻める柱をぜひどこかに…という思いがあり、玄関上がってすぐのところに、クロスなどで包まず柱を1本表してもらいました。まだ上の子の3歳の印がひとつあるだけですが、これから2人分の毎年の成長が分かる印をつけていくのが楽しみです。
柱は壁の中に隠してしまうことの多い現代の住宅ですが、昔ながらの大黒柱のように、家族の成長を見守ってくれる柱が家の中にあるってとても素敵ですね。家族の成長は家と共にある…そう思い出させてくれる柱になることでしょう。
トイレに見えないトイレにしたい!
わが家のトイレは玄関を開けて正面にあります。なので、トイレとは一見分からないような扉にしようと、工務店さんの事務所のとても気に入った扉の色に塗ってもらいました。気に入って、家の色々なところに使ったガラスブロックをトイレの上にも入れて、扉と同じ色の枠もつけてもらったんです。壁紙も明るい遊び心のあるものにしたので、子どもは1階のトイレがずいぶん気に入っているみたいです。
トイレの扉を印象的な色に塗る…ありそうでなかなかないのかな、と思います。玄関近くにトイレはちょっと…と場所を変えるのではなく、扉の印象でトイレと気づかせないようにするというのは、テクニックですね!
Uchimise Photo
「この家に引っ越すとき、なるべく美観に気を付けて暮らそうと決意したんです」と奥さんが笑顔で話されていたのがとても印象的でした。できるだけ圧迫感をなくすため収納もオープンに、だから持ち物の量にも質にも気を配り、ディスプレイも楽しむ…。家での暮らしを豊かにする、とてもいい循環だと感じました。ご家族がおうちを大好きだと思っている空気が家中に充満していて、それは訪れた人をもとても幸せな気分にさせてくれるのでした。
レポーター:kage
リビングにあがるとぱっと目に入ってくるキッチンは、タイルや洗練された雑貨のディスプレイで、オシャレなショップのよう。丸見えになる、という一般的にはデメリットと思われる点を逆に活かした素敵なキッチンでした。